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日韓首脳会談:慰安婦問題「早期妥結へ交渉加速」で一致

毎日新聞 2015年11月02日 13時10分(最終更新 11月02日 13時58分)

握手する安倍首相(左)と韓国の朴槿恵大統領=2015年11月2日、AP
握手する安倍首相(左)と韓国の朴槿恵大統領=2015年11月2日、AP

 【ソウル小田中大、大貫智子】安倍晋三首相は2日午前(日本時間同)、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領とソウルの青瓦台(大統領府)で初の首脳会談を行った。両首脳が会談するのは就任後初めて。日韓関係の改善に向けて意見を交わし、最大の懸案となっている慰安婦問題については「早期の妥結」に向けて交渉を加速することで一致した。

 会談は2日午前10時過ぎ、両首脳ら少人数で始まり、その後、出席者を増やして計1時間45分実施した。

 首相は会談終了後、記者団に「慰安婦問題については、未来志向の協力関係を構築していくうえで将来世代に、障害を残すことがあってはならない」との考えを表明した。その上で「今年は国交正常化50年であるということを念頭におきながら、できるだけ早期の妥結を目指して、交渉を加速させていこうということで一致した」と述べた。

 慰安婦問題を巡っては、韓国側は日本政府に対し、解決に向けた具体的な対応を求めてきた。朴氏は10月の毎日新聞の書面インタビューで、解決策の「年内妥結」を目指す意向を示していた。日本側は1965年の日韓請求権協定などで慰安婦問題は「解決済み」との立場を堅持してきた。

 朴氏は会談で、両国で対立する歴史認識問題について「つらい歴史を治癒することができる大局的な誠意のこもった会談になり、両国関係を発展させる重要な機会になることを期待する」と指摘。首相は「この機会を持ったことは両国国民にとって大変意義深い。未来志向の日韓関係の新たな時代を築くべく、大統領と努力していきたい」と会談の意義を強調した。

 会談ではまた、首相は朴氏をコラムで名誉毀損(きそん)したとして在宅起訴された産経新聞の前ソウル支局長が懲役1年6月を求刑された問題について、懸念と遺憾の意を伝えたとみられる。韓国が東京電力福島第1原発の事故を理由に水産物の輸入規制をしている問題でも、改めて規制撤廃を要請した。

 首相は8月に発表した戦後70年談話についても説明し、朴氏に理解を求めたとみられ、両国にとって共通の懸念である北朝鮮の核・ミサイル問題では、日韓、日米韓の緊密な連携も確認した。

 日韓首脳会談の開催は、2012年5月に当時の野田佳彦首相と李明博(イ・ミョンバク)大統領が北京で行って以来、約3年半ぶり。

 首相は会談終了後、2日午後に政府専用機で帰国する予定だ。

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