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【本紙前ソウル支局長公判】
被告人質問詳報(1)「日本の読者に伝えたい」 特派員を志した理由とは…
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する論告求刑公判が10月19日、ソウル中央地裁で開かれた。まずは弁護側からの被告人質問が行われ、加藤前支局長は「見て聞いたことや感じたことを日本の読者に読んでもらいたいと思った」とソウル特派員を志願した経緯を振り返った。コラムは「誹謗の目的で書いたものには当たらない」とも改めて強調した。詳報は以下の通り。(ソウル支局)
19日午後1時40分ごろ、加藤前支局長が弁護人らとともに法廷に入った。弁護側は主任弁護人も加わり、5人態勢で臨む。
また、弁護側から日本人女性通訳が加わった。前回公判から担当した韓国人女性の司法通訳に誤訳などが多くみられたため、加藤前支局長の陳述の趣旨を取り違えて伝えられるのを防ぐ役割を担う。
1時53分、李東根(イ・ドングン)裁判長らも入廷し、開廷を告げる。李裁判長は弁護側通訳に宣誓を促し、告げた。
裁判長「重要な部分が抜けていたり、ニュアンスが違っていたりすれば、その場で言ってもらえればいい」
100席あまりの傍聴席は、日韓の報道関係者らでほぼ埋まった。
前回、弁護側証人として出廷した田島泰彦・上智大学教授の意見書が提出され、検察側と弁護側双方がコラムや記事といった追加証拠を提出した。
検察側が当初予定していたメディア専門家に対する証人尋問は結局、見送られた。
2時12分、加藤前支局長本人に対する被告人質問に移った。李裁判長が「述べたことが不利な証拠となることもある」と説明した。弁護側がまず質問を始める。
弁護人「被告人は、志願して、ソウル特派員に赴任したのですか」
加藤前支局長「はい。私が自分で志願しました」
弁護人「被告人がソウル特派員を志願した理由は何ですか」
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