制度の運用が始まる来年1月以降、行政の手続きに加え、就職やアルバイトをする際に番号の提示が求められる。企業は従業員の番号を集め、源泉徴収票に記載する必要がある。
国民は希望すれば、顔写真付きの「個人番号カード」が無料交付され、身分証明に使える。29年1月には個人向けホームページが開設され、納税や年金、医療控除の手続きが順次できるようになる見通しだ。
政府はマイナンバーの用途拡大を目指しており、法改正で証券口座に加え、30年から預金口座にも番号を付けられることになった。個人番号カードを健康保険証やクレジットカードとして使うことも想定している。
また、財務省は29年4月に消費税率が10%に引き上げられるのに伴い、酒類以外の飲食料品について増税分を還付する負担軽減策を検討しているが、これにも個人番号カードを活用することを考えている。
社会保障や税などの分野で活用されるマイナンバーは、膨大な数の行政機関や企業が扱うことになる。サイバー攻撃などで情報が漏れれば、個人のプライバシーを侵害する恐れがある。
番号や情報を故意に漏えいした場合、懲役や罰金の厳しい刑が科される。一方、サイバー攻撃を受けた場合など過失で漏れた場合は罰則規定がない。一部の消費者団体は流出被害を受けた個人や企業を救済する仕組みの整備を求めている。
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