“便乗商法”が跋扈する背景には、マイナンバーの情報漏洩をめぐって罰則規定も強化されていることもある。従来の個人情報保護法では、保有する個人情報が5000件を超えない中小零細企業であれば適用外という位置付けだったが、マイナンバー法ではすべての企業が対象になるからだ。
罰金など法定刑も強化されており、「個人番号の漏洩は企業の信用低下に直接的に響く」(コンサルタント)とみられている。
売り込みが強まっているのは金庫だけではない。個人番号が管理された部屋の管理体制強化策として監視カメラや入退室管理システムを設けるケースも激増している。
さらに“盲点”となっているのが個人番号の記載された書類やデータの破棄の義務化だ。個人情報保護法には情報破棄が盛り込まれていなかったため、新たな対策が必要となっている。
「扶養控除等申告書」の保管期間は7年間で、退職者であっても7年間は厳重に保管し、その後、廃棄しなければならない。書類をシュレッダーで裁断するケースもあるが、シュレッダー処理よりもコスト高の「薬品による書類溶解サービス」を利用する企業も増えており、新たな負担要因ともなっている。
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