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ユネスコ総会開幕 「記憶遺産」改善主張へ11月3日 21時16分
ユネスコ=国連教育科学文化機関の総会がフランスのパリで始まり、中国が申請した「南京事件」についての資料がユネスコの「記憶遺産」に登録されたことを受けて、日本政府は制度の改善を求める方針です。
3日、フランス・パリの本部で始まったユネスコの総会では、加盟する国と地域が活動方針などについて議論する予定で、このうち日本は、後世に伝える価値のある記録を認定・登録する「記憶遺産」について意見を表明する方針です。
「記憶遺産」を巡っては、中国が「南京事件」についての資料を申請し、先月、ユネスコが登録を決めました。これに対して、日本政府は「中国の一方的な主張に基づき申請されたものだ」として、馳文部科学大臣が今月5日、総会に出席して制度の改善を求めるほか、ボコバ事務局長と会談する予定です。
日本としては、提出された資料や検討の過程が非公開になっていることから、「透明性」を高めることや、国をまたがる案件の場合、1つの国だけで判断せず複数の国の資料を検証する「公平性」などについて意見を述べるものとみられます。
ユネスコの総会は今月18日まで開かれ、日本が制度の改善を求める「記憶遺産」を巡って、ユネスコでどのような議論が行われるか注目されます。
「記憶遺産」を巡っては、中国が「南京事件」についての資料を申請し、先月、ユネスコが登録を決めました。これに対して、日本政府は「中国の一方的な主張に基づき申請されたものだ」として、馳文部科学大臣が今月5日、総会に出席して制度の改善を求めるほか、ボコバ事務局長と会談する予定です。
日本としては、提出された資料や検討の過程が非公開になっていることから、「透明性」を高めることや、国をまたがる案件の場合、1つの国だけで判断せず複数の国の資料を検証する「公平性」などについて意見を述べるものとみられます。
ユネスコの総会は今月18日まで開かれ、日本が制度の改善を求める「記憶遺産」を巡って、ユネスコでどのような議論が行われるか注目されます。
「記憶遺産」とは
ユネスコの「記憶遺産」は、文書や楽譜、それに絵画などのうち、後世に伝える価値のある記録を保護するため1992年から始まった事業です。専門家14人からなる国際諮問委員会の審議を経て、ユネスコの事務局長が登録を決定します。
申請は政府機関やNGOなどの団体や個人からも受け付けていますが、2年に1度行われる審議で申請できるのは1つの国で2件以内という制限が設けられています。
ユネスコの記憶遺産にはこれまでに、ナチスドイツに迫害されたユダヤ人少女の手記「アンネの日記」や、13世紀のイギリスの憲法文書「マグナ・カルタ」などが登録されています。また日本からは、先月ユネスコが決定した、京都府舞鶴市のいわゆるシベリア抑留や戦後旧満州などから引き揚げた人たちに関する資料や、京都の東寺に伝わっていた国宝の「東寺百合文書」など、合わせて5件が登録されています。
申請は政府機関やNGOなどの団体や個人からも受け付けていますが、2年に1度行われる審議で申請できるのは1つの国で2件以内という制限が設けられています。
ユネスコの記憶遺産にはこれまでに、ナチスドイツに迫害されたユダヤ人少女の手記「アンネの日記」や、13世紀のイギリスの憲法文書「マグナ・カルタ」などが登録されています。また日本からは、先月ユネスコが決定した、京都府舞鶴市のいわゆるシベリア抑留や戦後旧満州などから引き揚げた人たちに関する資料や、京都の東寺に伝わっていた国宝の「東寺百合文書」など、合わせて5件が登録されています。