クアラルンプール=二階堂勇
2015年11月3日19時43分
中谷元・防衛相は3日、米国のカーター国防長官と訪問先のマレーシアで約1時間会談した。中谷氏は、南シナ海で中国が埋め立てた人工島の12カイリ内を米艦が航行した「航行の自由作戦」への支持を表明した。両氏は海洋進出を強める中国を念頭に、東シナ海、南シナ海での力を背景とした現状変更の試みに反対することで一致した。
両氏は、南シナ海を含む海域で今後も日米共同訓練を行い、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国への能力構築支援を強化することで合意した。さらに、米国の同盟国である韓国やオーストラリアに加え、フィリピンなどのASEAN諸国やインドなどと防衛協力を進めることも確認した。カーター氏は会談で「中国とは対話をしていくことも重要だ」とも述べた。
カーター氏は、9月に成立した安全保障関連法を歓迎する考えを表明。4月に改定した日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づき、自衛隊と米軍が平時から運用について協議できる「同盟調整メカニズム」の設置と運用開始も決めた。自衛隊と米軍の代表が具体的な調整を行う「共同運用調整所」も設置する。中谷氏は会談後「新ガイドラインの実効性確保のための取り組みの重要な第一歩となる」と記者団に語った。
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