京都の街を歩くと、間口が狭く奥行きが長い木造建築の京町家が多く残っていることに驚く。近年、独特の構造をした町家を改装した宿泊施設や住宅が外国人から引っ張りだこらしい。何が受けているのだろう。
■「賃貸10軒中7軒に外国人が入居」
まずは町家を活用した宿泊施設を運営する庵(京都市)に足を運ぶ。家族ぐるみで京都を訪れた米国人のスティーブン・ロスロックさん(55)は「日本の伝統を直接体験できるのがイイネ」と目を輝かせる。妻のテサさん(50)も「風が自然に通り抜けて心地よい。ホテルよりも広くて家族で使いやすい」とにっこり。スティーブンさんは町家体験が2回目のリピーターで、米国の友人にも勧めるほどだ。
続いて、町家を住居として貸し出している不動産会社のフラットエージェンシー(京都市)に向かった。吉田光一社長は「観光客だけでなく、町家で一定期間暮らす外国人も増えています」と明言する。同社が賃貸する10軒中7軒には外国人が入居する。
■欧州や米国の出身者が主に購入
京都大学のフランス人研究員、ニコラス・ジョアニンさん(38)は妻と生後3カ月の赤ちゃんの3人暮らし。2年半前、京都に来た当初はマンション住まいだったが、「最も日本的なものを感じられる」と昨年秋に越してきた。木造ならではの自然のぬくもりがお気に入り。「少し薄暗く、たまにネズミも出るけれどね」と笑う。フランスから京都観光に訪れる友人の評価も上々だ。
京町家の保存活動に取り組む京町家再生研究会の小島冨佐江理事長によれば、古い町家を気に入った外国人が譲り受け、所有者になる例もある。研究会が過去20年間で手掛けた町家再生は約200件だが、10件ほどは外国人からの依頼。現在も年間4、5件の引き合いがあるという。
町家を買うのは欧州や米国の出身者が目立つ。小島さんは「特に欧州では古い建築物が大切に保全されている。町家への理解も外国人の方が高いのでは」と話す。
フラットエージェンシー、町家
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