[PR]

 東京大学が初めて導入する推薦入試の出願受け付けが2日、始まった。国立大学にも定着してきた推薦や、時間をかけた面接で適性などを見るAO入試。東大も「違ったタイプ」の学生を集め、世界での競争力を高めたいという。ただし、センター試験での好成績も必要だ。

 「世界的視野をもった市民的エリート」の育成を使命とする東大。相原博昭副学長は「多様な人のいる環境で人を育てることが重要」と話す。出身校などが偏りがちで、男女比も8対2程度で長い間変わっておらず、その点を問題視していたという。「世界中の大学から進学先を選ぶ時代。負けないだけの魅力が必要だ。推薦入学を大学の多様化につなげたい」と相原副学長。

 来春入学する学生らへの入試では全10学部で推薦を導入し、全体の3%ほどにあたる約100人を募集。6日まで出願を受け付け、12月1日に書類選考の結果を発表、合格者は学部ごとに面接やグループディスカッションなどがある。来年1月のセンター試験を受験後、2月10日に最終合格者が発表になる。後期日程は廃止する。ただ、ハードルは高い。「センター試験の点数が8割以上が目安」で、学部ごとに「科学五輪で顕著な成績」「商品レベルのソフトウェア開発」などの要件がある。推薦できるのは各校男女1人ずつだ。

 大手進学塾などからは「一般入試でも合格できる人しか受けないのでは。多様化になるのか?」「入試を変えても学校の魅力を増さないと、海外トップ大に勝てない」といった指摘もある。