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ASEAN国防相会議 南シナ海で議論11月3日 18時40分
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ASEAN=東南アジア諸国連合の国防相会議がマレーシアで行われ、南シナ海でアメリカ軍の艦艇が中国が造成する人工島の周辺を航行したことに中国が強く反発して対立が深まるなか、海上での不測の事態を防ぐための方策について議論が交わされました。
ASEAN国防相会議は3日、加盟10か国が参加してマレーシアの首都クアラルンプールで開かれました。南シナ海では先月27日、アメリカが南沙諸島、英語名・スプラトリー諸島で中国が造成する人工島の周辺12海里以内の海域に駆逐艦を派遣したことに対して中国が強く反発し、対立が深まっています。議長国のマレーシアや参加国によりますと、会議では南シナ海での法的拘束力を持ったルール、「行動規範」の策定を急ぐべきだという意見があがったほか、問題の平和的解決を求める声が相次いだということです。
また、キューズと呼ばれる海上での不測の事態を回避するための国際的な行動基準について、中国と対立するフィリピンから、適用の対象を軍の艦艇だけでなく沿岸警備隊などにも拡大すべきだという提案が出されました。
会議のあと記者会見した議長国マレーシアのヒシャムディン国防相は「海上で意図しない事態が起きることは避けなければならない」と述べて、4日、日本とアメリカ、それに中国も参加して開かれる拡大国防相会議でも意見が交わされる見通しを示しました。
また、キューズと呼ばれる海上での不測の事態を回避するための国際的な行動基準について、中国と対立するフィリピンから、適用の対象を軍の艦艇だけでなく沿岸警備隊などにも拡大すべきだという提案が出されました。
会議のあと記者会見した議長国マレーシアのヒシャムディン国防相は「海上で意図しない事態が起きることは避けなければならない」と述べて、4日、日本とアメリカ、それに中国も参加して開かれる拡大国防相会議でも意見が交わされる見通しを示しました。
受け止めや対応は分かれる
アメリカ軍が先月、中国が主権を主張する南シナ海の海域でイージス艦を航行させて米中の対立が深まるなか、ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国の受け止めや対応は分かれています。中国が人工島を造成して領有権を主張している南沙諸島、英語名・スプラトリー諸島で領有権を争うフィリピンは、アキノ大統領が「国際法にのっとって航行することは、なんの問題もない」と述べてアメリカ軍のイージス艦の航行を支持しました。同じく領有権を争うベトナムも直接的な評価は避けたものの「南シナ海における航行の自由を尊重する」としてアメリカに一定の理解を示しています。
一方、カンボジアやラオスは領有権争いに関わっておらず、中国からインフラ整備などで経済的な支援を受けていることもあり「領有権を主張する国どうしで話し合うべき問題だ」とする中国の立場に同調しています。
南シナ海の問題を巡っては、ことし8月にマレーシアで開かれたASEANの外相会議でも各国の意見がまとまらず、足並みの乱れが浮き彫りになっていました。
一方、カンボジアやラオスは領有権争いに関わっておらず、中国からインフラ整備などで経済的な支援を受けていることもあり「領有権を主張する国どうしで話し合うべき問題だ」とする中国の立場に同調しています。
南シナ海の問題を巡っては、ことし8月にマレーシアで開かれたASEANの外相会議でも各国の意見がまとまらず、足並みの乱れが浮き彫りになっていました。
中国外務省「断固反対する」
アメリカ政府が、南シナ海で中国が造成している人工島から12海里以内の海域で、今後も3か月に2、3回の頻度で艦艇を航行させる方針であることについて中国外務省の華春瑩報道官は3日の記者会見で「いかなる国であれ、航行や飛行の自由を名目に、他国の主権や安全を損なうことに断固反対する」と非難しました。
そのうえで、華報道官は「みずからの領土や安全、それに、正当で合法な海洋権益を守るという決心や意志は断固として揺るがない。いかなる国がたくらむ挑戦に対しても断固として対応していく。われわれはアメリカに対し、いっさいの誤った言動をやめ、中国の主権や安全を脅かす挑発的な言動をとらないよう促す」と述べました。
そのうえで、華報道官は「みずからの領土や安全、それに、正当で合法な海洋権益を守るという決心や意志は断固として揺るがない。いかなる国がたくらむ挑戦に対しても断固として対応していく。われわれはアメリカに対し、いっさいの誤った言動をやめ、中国の主権や安全を脅かす挑発的な言動をとらないよう促す」と述べました。