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ノーベル賞下村さん 体験語り平和を訴え
11月3日 19時17分

長崎市で開かれている、世界各国の科学者が集まって核兵器廃絶について話し合う「パグウォッシュ会議」は、3日目の3日、長崎に原爆を投下した爆撃機を目撃したノーベル化学賞受賞者の下村脩さんが自身の体験を語り「戦争と核兵器のない世界を望むのみです」と平和への強い思いを訴えました。
長崎市で開かれている「パグウォッシュ会議」では、平成20年にノーベル化学賞を受賞した下村脩さんが講演し、長崎県諫早市にあった旧海軍の工場で働いているときに原爆を投下した爆撃機を目撃したことや、終戦後、原爆で亡くなった人たちの遺体が運ばれる様子を見た経験などを語りました。この中で下村さんは「悲惨で残酷な光景のショックは強烈で、私の人生観を変えました。原爆のことは思い出さないように努めていましたが、いつも私の心にうずくまっていて、消え去ることはありませんでした」と述べました。
下村さんは、おととし、原爆を開発したアメリカ・ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所に招かれて講演したときの経験も語り、若い研究者から原爆について聞かれなかったことを挙げて「若い人にとって、広島、長崎の原爆は歴史の一かけらにすぎないという印象を受けた」と話しました。そして「もし日本が2週間早く降伏していれば、多数の人命が失われずに済んだはずで、すべては戦争に起因します。戦争と核兵器のない世界を望むのみです」と述べ、平和への強い思いを訴えました。

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