荻原千明
2014年11月22日18時16分
大阪府岸和田市で毎年11月3日、爆音を響かせてバイクや車が走り回る。「イレブンスリー暴走」と呼ばれ、ここ数年、千人を超える見物人が集まる。周囲の店は休業を余儀なくされ、今年も200人以上の警察官が出動する事態となった。
3日、午前0時前、岸和田市の国道26号。総合体育館前交差点の周囲に若者たちが鈴なりになっていた。拡声機から警察官の声が響く。「通行の妨げになります。直ちに移動してください」。歩道の一部は一般人が通行できないほどだ。
「イレブンスリー暴走」がいつから始まったのか判然としない。複数の暴走族で構成した「イレブンスリー連合」(解散)に由来するとの説や、昭和期からの伝統との説もある。
府警暴走族対策室によると、2005年に約50人の「やじ馬」が確認され、翌年から対策を始めた。全国の暴走族がピーク時(1982年)の2割弱の約7千人まで減る一方、群衆は増え続け、今年は2千人。府警は約210人態勢で警戒にあたったが、近所のラーメン店やコンビニなどは臨時休業を余儀なくされた。
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朝日新聞社会部
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