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 日産自動車は2日、運転中の事故で、タカタ製エアバッグが異常破裂したと発表した。事故で助手席の女性が腕に軽いけがをしたが、エアバッグの破片が原因の可能性が高い。運転中にタカタ製エアバッグが異常破裂したのは国内で6例目だ。

 今回問題になったスポーツ用多目的車「エクストレイル」は、助手席側エアバッグに不具合があるとして、今年5月、日産がリコール(回収・無償修理)を届け出た。8月に持ち主が日産の販売店に持ち込んだが交換部品が不足する中、販売店は修理の優先順位が低いと判断。改修が後回しになった。部品不足で交換できずに、異常破裂が起きたのは初めてだ。

 日産によると問題の車は、10月28日、静岡県伊東市の国道でトラックに追突。助手席の女性が頭や腕に軽いけがをした。日産の販売店の調べで、助手席側にエアバッグの金属片が飛び散っているのがわかった。腕のけがは、この金属片によるものとみられる。

 タカタ製エアバッグをめぐっては、大規模なリコールで部品の供給が追いついていない。国土交通省によると、対象車のうち部品交換が済んだ車は9月末時点で51・9%にとどまる。

 タカタ製エアバッグは、薬品が吸湿することで想定以上の爆発を起こす恐れが指摘されている。日産は、部品の気密性を検査して、問題がある場合は、優先して部品を交換。問題が見つからなかった場合は、あとで交換することにしていた。今回の事故を受けて、問題が見つからない場合は、エアバッグ機能を停止する措置をとるという。(田中美保)