ろくでなし子裁判、証拠物「デコまん」提出を却下され「不満」
2015年11月2日17時31分 スポーツ報知
自ら女性器の立体的データを提供したとして、わいせつ電磁的記録頒布などの罪などに問われた「ろくでなし子」こと漫画家の五十嵐恵被告(43)の第4回公判が2日、東京地裁(田辺三保子裁判長)で開かれた。弁護側は証拠物として、女性器をかたどった土台に様々なデコレーションを加えた五十嵐被告の作品「デコまん」27点の提出を求めたが「必要ない」として却下された。
すでに「デコまん」を押収している検察側は、証拠としての採用に不同意。弁護側は異議を申し立てたが、棄却された。
閉廷後に都内で会見した弁護団は、1957年のチャタレイ事件最高裁判決で示された「わいせつ3要件」(〈1〉いたずらに性欲を刺激または興奮させる〈2〉性的羞恥心を害する〈3〉性的道義観念に反する)を示した上で「なし子さんの作品はいやらしいものではない。作品現物を見ていない裁判官に見てもらう必要があるので、提出を請求した」と説明。五十嵐被告は会見で「証拠物が却下されて私としては不満が残る裁判でした」と話した。
弁護側は法廷で、以下の識者から五十嵐被告の作品についてのわいせつ性を否定する意見書を得ていると主張した。京大法科大学院教授の曽我部真裕氏、同・高山佳奈子氏、上智大国際教養学部教授の林道郎氏、埼玉大人文社会科学研究科教授の牧陽一氏、沖縄県立芸術大准教授の土屋誠一氏。
次回公判は11月20日。上智大の林氏が証人として出廷する予定。