籏智広太
2015年11月3日01時53分
全国の国立ハンセン病療養所で資料館を新設する動きが出ている。沖縄愛楽園(沖縄県名護市)では6月に新しい資料館がオープンし、国内最大の菊池恵楓園(熊本県合志市)では新築を求め、入所者と園側の協議が始まった。高齢化が進むなか、差別と迫害の歴史をどう語り継いでいくのかが問われている。
■進む老朽化、立ち上がる入居者 熊本
281人(10月1日現在)が暮らす国立療養所菊池恵楓園。入所者自身が語り継ぐことができなくなる時に備え、「当事者の声を代弁できる施設」をつくろうと、入所者の自治会が資料館新築に動き出した。
自治会によると、候補地は、入所者がつくった盆栽を展示販売する園内の施設が有力。展示室のほか、空調設備のある収蔵庫や作業室も整備したい意向。早ければ2018年度のオープンを目指すという。厚生労働省に働きかけるため、10月13日に園側との初めての協議を開いた。
同園には現在、06年に開館した「社会交流会館」という資料館があるが、1951年に建てられた旧事務本館を改修したもので、展示室は狭く、カルテや生活道具などの資料を長期保存・管理する設備もない。老朽化が進み、歴史を伝えていくことができないと、新築構想が持ち上がった。
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