フォルクスワーゲン排ガス不正、ポルシェなど高級車でも=米当局
- 2015年11月3日
米環境保護局(EPA)は2日、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス不正問題で、より大きいディーゼルエンジンを搭載した車種にも問題の装置が使われていたと発表した。これに対してVWは、不正を否定している。
EPAによると、これまでは排気量2000ccのエンジン搭載車のみがリコール(回収・無償修理)の対象だったが、新たな調査でポルシェやアウディなど排気量3000ccのエンジンでも不正が確認された。
新たに不正を指摘されたのは、2014~16年型の「ポルシェ・カイエン」「アウディ・A8」「VW・トゥアレグ」などで、少なくとも1万台が影響を受ける。
EPAの指摘に対してVWは声明で、3000ccのV6エンジンを載せた車に「搭載されているソフトウェアに関する説明が、申請手続きにおいて十分でなかった」ものの、不正ソフトウェアではないと強調した。その上で、「事態をはっきりさせるため」EPAと協力していると発表した。
ポルシェはEPAの指摘に「驚いている」と声明を発表。「今回の指摘まで、ポルシェ・カイエンのディーゼルは規制を完全に順守していると言われていた」としている。
かさむ費用
不正問題対応に追われるVWは10月に発表した7~9月期決算で、15年ぶりの営業赤字を計上した。
同社は不正対策費として67億ユーロの引き当て金を計上したため、税引き前赤字が25億2000万ユーロになった。
アナリストの多くはVWが今後もさらにリコールや罰金、訴訟費用などとして資金を計上しておく必要があるだろうとみている。