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社説:ハタハタ資源半減 流通面の管理も必要だ
今季のハタハタ漁(今年9月〜来年6月)の漁獲枠が800トンと決まった。昨季の半分以下で、17年ぶりに千トンを下回る低水準だ。本県沖の資源量は減っているとみられるだけに、漁業者や漁協、市場、消費者らが連携し、持続可能な漁の在り方を考えるきっかけにしたい。
県や漁業関係者でつくるハタハタ資源対策協議会は、県水産振興センターが推計した漁獲可能資源量の4割相当を漁獲枠としている。
今季の漁獲枠の半減は、資源量推計の基礎となる1歳魚の推計方法を見直したことが大きく影響した。従来方法では過大推計となる可能性があり、捕り過ぎにつながりかねないと判断したためだ。その結果、今季の資源量は昨季(4200トン)の半分以下の2千トンとなり、漁獲枠も半減となった。
ハタハタ漁は冬場の漁業者の主な収入源となるだけに、関係者からは「経営が厳しくなる」「出回る量が減り、高値になれば客が離れないか」など切実な声が上がっている。
一方で、実際の漁獲量を正確に把握できているのかという指摘もある。過去5年間は漁獲実績が漁獲枠を大きく下回った。資源量推計が過大だった可能性はあるが、漁協を通さないため漁獲量に算入されない系統外流通も相当量あるとみられている。1歳魚のような小型魚は廃棄される例もあるという。
資源量推計の精度を高めるには漁獲量の正確な把握が欠かせない。このため水産振興センターは先ごろ開かれた資源対策協で、系統外流通の見直しなど流通管理体制の強化を提言した。
本県ハタハタ漁は1966、68年のピーク時に2万トン超を漁獲したが、91年に約70トンまで減少。海洋環境の変化に加えて捕り過ぎが影響したためで、本県漁業者は92年から3年間、前例のない全面禁漁に踏み切った。
95年に漁が解禁されて今年で20年。漁獲枠を設定して「捕りながら増やす」資源管理を続けてきたものの、漁業者には近年、資源が減ってきたとの実感が強いという。
資源維持の要は、5歳が寿命とされるハタハタのうちでも1歳魚を極力保護し、翌年以降の資源とすることにある。漁業者には1歳魚が多く生息する漁場を避けるなど一層の取り組みが求められる。県漁業協同組合は稚魚のふ化・放流など増殖事業への支援を県に要請した。
稚魚の成育には海流や水温変化などの自然条件も影響しているが、人為によって資源を損なうことは避けたい。今後は資源管理とともに流通管理の充実も重要になるだろう。
本県の海の漁業生産量(2013年)のうち、ハタハタは約1500トン、5億8200万円で、2位のマダラと比べて量で2倍、額で3倍だ。ハタハタは秋田の食文化の主役級でもある。消費者や加工業者も含めて貴重な資源を守っていきたい。
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