大企業でも十分とは言いがたいIT資産管理・セキュリティ対策の実態
クオリティソフト
ビジネス企画本部
営業戦略室 室長
久保田直己氏
ハードウェア・ソフトウェアを含めた企業内のIT機器を管理するのがIT資産管理だ。Winnyをはじめとする不正ソフトやノートPCの紛失による情報漏えい、ソフトウェアのライセンス違反による高額な損害賠償などの事件を通じ、多くの企業はIT資産管理やPCセキュリティ確保の必要性を十分に学んできたはずだ。
ところが、具体的な取り組みとなると、いまだ十分とはいえないのが実態のようだ。数多くの企業を訪問して、その実態を見てきたクオリティソフト ビジネス企画本部 営業戦略室 室長 久保田直己氏は、次のように説明する。
「一般には、大企業であれば十分なPC管理が実施されていると考えられています。しかし、我々、営業現場の感覚ではけっして十分とはいえません。大企業であっても、IT資産管理をしっかり実施されているお客様は、まだ少ないのが実態です。まして中堅・中小企業では資産管理専任の担当者を置くことは難しいのが現実ですから、手つかずといっても過言ではないでしょう」(久保田氏)
ソフトウェア資産管理(SAM:Software Asset Management)も同様だ。センセーショナルな違法コピー事件、ソフトウェア資産管理のISO化などによってソフトウェア資産管理への意識は高まっているが、具体的な取り組みはいまだ不十分なままだ。
「ソフトウェア資産管理の国際標準規格である『ISO/IEC 19770-1』、これをJIS化した『JIS X 0164-1』など管理手法は確立されつつあります。ただし、実際に実施するとなると、膨大な作業が必要です。昨今の不況の影響もあり、特に中小企業ではとてもそこまで手が回りません。一方で大手企業の中には、取引先に対してポリシに沿ったソフトウェア資産管理を求めるところも少なくないため、対応に苦慮されている中小企業が多いのも事実です」(久保田氏)
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開発コンセプトは「使いこなさなくていい」