値下げ効果か!すき家の10月次売上が大幅アップ
全店は7か月連続で前年比増
牛丼チェーン「すき家」の10月次売上が大きく伸びたことが分かった。同社の発表によると、10月次の数字は次の通り。
【既存店前年比】
売上高:114.9%
客数:113.1%
客単価:101.6%
【全店前年比】
売上高:122.7%
3月以降の推移をグラフにしてみた。
6・7月の全店売上高もギリギリ100%を超えており、4月以降、7か月連続で全店売上が昨年を上回っている。
値下げの効果か
すき家で注目を集めたのは、「秋のNEW VALUE肉祭り」における値下げだ。当初は9月29日~10月8日だったのが、10月22日までに延長したことで、ほぼ1か月間の値下げだった。
牛丼の並盛り290円(60円引き)など、メニュー全体に渡る値下げにより、単価は、109.6%(8月)→106.0%(9月)→101.6%(10月)と下がっている。
その一方、これまで前年割れを続けてきた客数が大きく増加し、既存店・全店の売上アップに貢献した。
松屋も売上アップ
松屋の10月次の数字と3月以降のグラフは次の通り。
【既存店前年比】
売上高:105.5%
客数:105.4%
客単価:100.1%
【全店前年比】
売上高:106.4%
松屋でも10月15日~22日に、プレミアム牛めし330円(50円引き)のセールを行った。
すき家ほど長期間ではなかったものの、それなりに効果があったようで、客単価ダウンと客数・売上アップとなっている。
どうなる牛丼価格
10月次の数字を発表していない吉野家でも、西日本の店舗で10月1日~7日に牛丼並盛り300円(80円引き)のセールを行っている。
3社の中で一番最初に値引きセールを発表したのが吉野家だけに、10月次の数字が気になるところだ。
消費税アップ、為替などによる原材料価格の上昇、人手不足による人件費の上昇があり、牛丼チェーン(だけではないが)では値上げを行い、客単価は上昇したものの、客数が落ち込む結果となっていた。
すき家と松屋については、いくらかの値下げにより、客足が戻ることが確認できた形だ。
しかし値下げ競争による疲弊を繰り返した過去があるだけに、正式な値下げに踏み切るかは難しい判断に違いない。
各社、鍋シリーズなどの新メニューを投入しており、そちらの結果も気になるところ。「庶民の味方」と言われていた牛丼価格の復活はなるだろうか。
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