[カイロ/モスクワ 2日 ロイター] - エジプト東部シナイ半島の山岳地帯で10月31日に墜落したロシア旅客機について、回収されたフライト・レコーダーの解析にあたっている当局者は2日、事故機には外部から衝撃を受けた形跡はなく、同機の操縦士はレーダーから機影が消える前に救難信号を発していなかったことを明らかにした。

同当局者はブラックボックスの解析結果からこうしたことが明らかになったとしているが、これ以上の詳細については明らかにしなかった。

墜落したのはエジプトの保養地シャルムエルシェイクからロシアのサンクトペテルブルクに向かっていたロシアのコガルイム航空(通称メトロジェット航空)が運航するエアバスA321型機。乗員乗客224人全員が死亡した。

現場を視察したモスクワに拠点を置く航空事故調査当局者は1日、事故機は空中で分解したとの見方を表明している。

コガルイム航空の副ゼネラル・ディレクター、アレクサンドル・スミルノフ氏はモスクワで行った記者会見で、事故機の整備状態には問題はなかったとし、技術的な問題や操縦ミスなどの可能性を否定。同機が空中分解した場合、原因は何らかの「物理的なアクション」以外考えられないと述べた。

コガルイム航空は10月26日に行われたエンジン検査では何も問題は見つからなかったとしている。