「初心者ならまず棒銀!」
なんていうのは使い古された言葉で、
とりあえず棒銀を覚えるのが将棋の通過儀礼みたいになっている節はあります。
棒銀は確かに、歩と銀と飛車を絡めた基本的な攻めが学べます。
が、しかし!
棒銀は逆にその3つの駒だけで完結してしまっていて、
大概棒銀では桂馬が死に駒になります。角も場合によっては使いません。
で、
攻めの基本というのは、
飛車、角、銀、桂馬
あれ?本当に基本か?
そうです。
棒銀は将棋の基本かというと、
「あれ?若干だけど違うくない?」
ってなる戦法なのです。
じゃあなぜ棒銀が最初にオススメなのか?
1. 速い!
例えばですがこういう局面
こうなればほぼ先手優勢な訳で、棒銀の基本的な狙いなわけですが、
ここまでくるのに先手は何手を使ったか?
なんと6手です。
この状態は実質6手で対局が終わってしまったといってもいいぐらいです。
これは、簡単に組めて固い!といわれる美濃囲いとほぼ同等の手数で
これだけ強力な攻めの形を作れるわけです。
速いことによるメリットは沢山あって
・確実に攻撃側に回れる(=防戦一方にはならない)
・相手の手をある程度限定できる(=難しい将棋になりづらい)
・やることが少ない(=覚えやすい)
等々...
初心者にはうれしいメリットが盛りだくさんなのです!
2.押し付けれる!
相手がなんかよくわからない戦法を始めたときに、
棒銀なら困ることは少ないです。
後手側が何故か居飛車穴熊をしてきた場合
初心者同士ならこんなありえないことも起こっても不思議ではないです。
こんな状況でも
「とりあえず歩でとってとられたら銀でとればいいんでしょ?」
とすることができます。
結局棒銀の狙いというのが、
「銀で飛車先のサポートする」と単純で、
単純だからこそ変則的な状況にも強い訳です。
そして、相手がわからない強力な攻めをしようとしていても、
棒銀は先ほど書いたとおり、速いですから、
相手の攻めを見る前に攻めきることも可能なのです。
いかがだったでしょうか?
もちろん棒銀には
「将棋とはなんたるものか」
といったエッセンスも詰まっているもので、
基本的な戦術の一つであると言えます。
しかしながら、数ある戦法の中でもオススメされるのは、
「速いくて状況を選ばない、強力な攻めができる戦法」
だからと言えるでしょう。