インタビュー:イ・ヨンエ、内気な少女から女優へ(2)

イ・ヨンエに聞く、第2弾

■人気女優イ・ヨンエが中小企業のCMに出演する理由

 2000年代初めのイ・ヨンエは「テレビをつければいつも出てくる人」だった。ドラマ『インビテーション』(1999年)、『火花』(2000年)で人気を集め、映画『ラスト・プレゼント』(2001年)、『春の日は過ぎゆく』(2001年)がヒットし、韓国映画界で最もチケットパワーのある女優に挙げられた。

 イ・ヨンエが出てこないテレビCMを探すのが難しいくらいだった。インターネット上では「イ・ヨンエの一日」という笑い話まで出回った。石けん、シャンプー、浄水器、英語学習プログラム、クレジットカード、冷蔵庫、携帯電話に至るまで、さまざまなCMに出演するイ・ヨンエの姿を集めただけで、24時間の物語が成り立つというものだった。だが、イ・ヨンエは「あのころを思い出すと、とても心苦しい」と話している。

-皆の羨望の的だった時期では?

 「それこそ、私が『消費の女神』のように見えた時期で、最初は私もただ、人気があってうれしいと思っていました。気づけば2003年、韓国はクレジットカード危機に陥っていました。当時、クレジットカードをめぐり信用不良者が大幅に増え、借金を返済できず自殺する人まで生じました。『私の出演したCMが誰かによくない影響を及ぼすこともあるんだな』ということを、そのとき知りました。それ以来、クレジットカードのCMには出演していません。母親になった今、子ども向けのお菓子やジュース、日焼け止めクリームなどのCMオファーもしばしばいただきますが、それも非常に慎重に考えています。遺伝子組み換え作物でつくったお菓子ではないか、食品添加物は入っていないか、肌に有害なものではないか調べ、丁重にお断りする場合もあります」

-しかし、最近も多くのCMに出演していますね。

 「若いときは大企業のCMに出演するのがいいと思っていました。私のイメージにプラスになると信じていましたから。でも、今はその逆です。韓国の中小企業の中に、中身が充実していたり、優れた国産商品をつくっている会社があれば、喜んでモデルを務めようと思っています。ジューサー『Hurom』やフライパン『ハッピーコール』のケースがそれです。『Hurom』は私がモデル出演した後、売り上げが約8倍増えたそうです。『ハッピーコール』も私がモデルになった後、販売量が跳ね上がったと聞いています。そういう話を聞くと、本当に胸がいっぱいになります。女優として、最もやりがいがあり、うれしい瞬間というのはこういうときではないかと思います」

◆続きは「イ・ヨンエに聞く、第3弾」で…

宋恵真(ソン・ヘジン)記者
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