3年半ぶりの韓日首脳会談が、2日午前に韓国大統領府(青瓦台)で開かれる。両国は1日、議題の最終調整のため外相会談を開いたが、大きな懸案となっている旧日本軍の慰安婦問題をめぐっては溝を埋められなかったようだ。
両国が先月27日の局長級協議、29日の次官補級協議に続き、この日の外相同士による最終交渉でも歩み寄れなかったことから、2日の首脳会談は両首脳が言いたいことだけを「率直に」述べて終わる可能性が高い。
韓国政府はこれまで、日本に対し「関係改善のため、慰安婦問題をはじめとする歴史問題の解決に向けた誠意ある努力が必要だ」と訴えてきたが、安倍晋三政権は「慰安婦問題は1965年の日韓請求権協定で解決済み」との立場を崩していない。この日の会談でも、岸田文雄外相はこうした日本政府の立場をあらためて強調したという。
一方、共同通信などの日本メディアは、岸田外相が会談で産経新聞前ソウル支局長のコラム問題、日本産水産物の輸入禁止問題にも言及したようだと報じた。
コラム問題とは、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を傷つけるコラムを書いたとして在宅起訴されたことを指す。韓国検察は先月19日、加藤氏に懲役1年6カ月を求刑した。判決公判は今月26日に行われる。
水産物の輸入禁止問題は、2011年3月の福島第1原発事故を受け、韓国政府が2013年9月から福島など8県産の水産物を全面輸入禁止とした措置を指す。日本はこの措置には科学的根拠がないとして、今年8月に世界貿易機関(WTO)に提訴した。
2日の韓日首脳会談では、先月初めに大筋合意に達した米日主導の環太平洋連携協定(TPP)をはじめとする経済懸案も話し合われる見通しだ。TPPへの追加参加に意欲を表明した韓国政府としては、日本を説得することが重要な課題となっている。TPP参加12カ国のうち、韓国が自由貿易協定(FTA)を結んでいない国が日本とメキシコだけのためだ。