和気あいあいの韓中会談、中国がキムチなど輸入解禁表明

　韓国の朴槿恵（パク・クンヘ）大統領と中国の李克強首相は10月31日、首脳会談を行った。会談時間は予定を40分余り上回る1時間47分に及んだ。

　韓国大統領府の金奎顕（キム・ギュヒョン）外交安保首席秘書官は「話が盛り上がり過ぎ、会談が長引いた。時折笑いの花が咲くなど和気あいあいとしたムードだった」と説明した。大統領府関係者は「英語風に言えば、ケミストリーが合った」と語った。朴大統領は中国人が好む金色の服で会談に臨んだ。

　両首脳は韓国産食品に対する中国政府の検疫条件について合意。互いに冗談を交わし、笑いが漏れたという。中国は同日、検疫検査基準を設け、韓国産のコメ、参鶏湯（サムゲタン）、キムチの輸入を解禁することを表明した。朴大統領が「コメ、参鶏湯、キムチまで輸出が可能になり、韓国の農民は喜ぶはずだ」と述べると、李首相は「コメ、参鶏湯、キムチのようなおいしい物が朴大統領の努力の結果食卓に上っているということを必ず伝える」と応じた。

　韓国政府関係者は「キムチは年内、コメは来年1月、参鶏湯は来年前半にも輸出が可能になる見通しだ」と語った。両首脳は大統領府で開かれた夕食会でも友好ムードをアピールした。朴大統領が「外遊日程でお疲れではないか」と尋ねると、李首相は「まるでご近所に出かけておしゃべりするような親近感があり、とても楽しい」と応じた。

　両首脳はまた、中国の株式・債券市場に対する投資限度を800億元（約1兆5300億円）から1200億元（約2兆2900億円）に拡大することや、上海にウォン・人民元の直接取引市場を開設することを決めた。ウォンが海外で外貨と直接取引されるのは初めてで、中国に進出する韓国企業は為替手数料負担が軽減される。