中日首脳会談:歴史・南シナ・安保法めぐり激突

李首相「3カ国会談が3年間なぜ開かれなかったのか日本は分かっている」
安倍首相「航行の自由を保証すべき」 南シナ海懸念伝える

 中国の李克強首相と日本の安倍晋三首相が1日午後6時30分ごろ、李首相が宿泊しているソウル市内の新羅ホテルで首脳会談を行った。この会談では歴史問題はもちろん、このほど米中が衝突した南シナ海問題にも言及したことが分かった。

 中国国営の新華社通信や日本のNHKによると、李首相は会談のかなりの時間を歴史認識問題に対する中国の見解を説明し、日本の反省を促すために費やしたという。李首相は冒頭の発言で「(今回、先に行われた)韓中日首脳会談は3年半の間、開かれなかった。なぜこのような状況が発生したのか、日本側はその原因をよく知っているだろう」と述べた。安倍首相の2013年12月の靖国神社参拝など、歴史に逆行する動きが3カ国の協力を遮ったことを遠回しに表現したものだ。

 さらに李首相は「中・日関係も遠回りをしてしまい、困難にぶつかった。過去を振り返り、そこに教訓を見いださなければならない」とも言った。また、「歴史を直視し、歴史をかがみとする精神に立脚し、両国間の政治的関係での敏感な問題を適切に処理すべきだ。歴史問題は13億の中国人民の感情にかかわる。日本側がこうした高度に敏感なことを十分に認識してほしい」と語った。

 これに対して安倍首相は「私は2006年の首相就任後、すぐに初めて中国を訪問し、戦略的互恵関係の概念を示した。この考え方に立脚し、日中関係を改善・発展させていくことは、私の揺るぎない信念だ」と述べた。

 また、安倍首相はこのほど、中国の人工島建設や米国の駆逐艦投入などで緊張感が高まっている南シナ海情勢と関連し、「法の支配」と「航行の自由」の観点から中国側に懸念を伝えたと日本のメディアが報じた。これに関連、同席した日本政府関係者は「日中関係が抱えている諸問題について率直に意見を交わしたが、その内容は互いに公表しないことを約束した」と述べた。

 一方、李首相はこのほど改正された日本の安保法制について、「日本は平和発展の道を歩み続け、軍事と安保においてアジア隣国の懸念を尊重してほしい」という考えを伝えた。これに安倍首相は「第二次世界大戦での深刻な反省に立ち、平和発展の道と『専守防衛』政策を堅持する」と言ったと伝えられた。

 両国関係は尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる領土紛争や安倍首相の靖国神社参拝などで12年後半以降、関係が冷え込んでいた。両首相による会談は今回が初めてだが、習近平中国国家主席と安倍首相との会談を含めれば、両国指導者による首脳会談は今回が3回目だ。中国側は、過去2回の首脳会談に続き、この日の会談についても「日本の要請に応じた」という表現を使った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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