【ニューヨーク=中西豊紀】米環境保護局(EPA)は2日、独フォルクスワーゲン(VW)が米国で販売した自動車について、新たに約1万台の排ガス不正が見つかったと発表した。多目的スポーツ車(SUV)「トゥアレグ」のほか、高級車ブランドで知られるポルシェの「カイエン」やアウディの「A6」などが含まれる。
EPAが9月18日に初めてディーゼル不正を公表した時点では、対象は48万2000台の排気量2リットルの車で、モデル年も2009年から15年にとどまっていた。今回さらに排気量3リットルの車でも、14年モデル以降について違法ソフトの搭載が発覚した。これらの車は有害な窒素酸化物(NOx)の排出量が当局基準の9倍に達していたという。
不正は今秋から販売が始まっている2016年モデルの車でも認められたが、これらの販売台数は現時点では不明。このためEPAは追加の不正台数は1万台を超える可能性があるとしている。リコール(回収・無償修理)費用が当初想定よりかさみそうで、VWにとっては経営の新たな重しとなる。
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