2015年11月3日01時13分
名古屋市西区で1日、同区に住む市立中学校1年の男子生徒(12)が地下鉄の駅で電車に飛び込み自殺した問題で、同市教育委員会は2日、生徒がいじめを苦にしていた可能性があるとみて同級生らから聞き取りを始めた。「学校や部活でいじめが多かった。もう耐えられない」と書かれた遺書が自宅から見つかった。学校は「いじめは把握していなかった」としている。
生徒が通っていた中学校は2日朝、全校集会を開いた。校長によると、1年生らは「泣き崩れるほど悲しんでいた」という。校長は取材に、「いじめられていたという遺書があり、これほど悲しいことはない」としつつ、「いじめは確認できていない」と述べた。入学以来、欠席はなく、卓球部に所属していた。
学校は2カ月に1回、本人や周囲の人が嫌な思いをしていないか聞く全校アンケートをしている。直近は9月。この生徒は、学校生活の満足度を4段階で聞く質問に対し、上から2番目の「3」を選び、理由を「卓球ができるから」と書いていた。他の生徒の回答でも、この生徒がいじめられていたという記載はなかったという。
市教委や愛知県警によると、自室の机の中に、付箋(ふせん)のついたノートがあり、そのページを開くと「部活で『弱いな』と言われていた。もう耐えられない。だから自殺しました」と書かれていた。いじめた人を特定する記述はなかった。
生徒は1日、家族と昼食をとった後、午後3時過ぎに「ドーナツを買いに行く」と言って1人で外出。家族が自殺前に遺書を見つけ、携帯電話で「いじめ大丈夫か、お前」と聞くと、「大丈夫、大丈夫。冗談だ」と答えたという。午後4時ごろ、地下鉄鶴舞線の庄内通駅で電車にはねられ、間もなく死亡が確認された。
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!