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慰安婦、解決の道筋見えず=日韓首脳3年半ぶり会談[時事]

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 【ソウル時事】安倍晋三首相は2日、韓国の朴槿恵大統領とソウルの青瓦台(大統領府)で初めて会談した。日韓首脳の会談は2012年5月以来、3年半ぶり。両首脳は最大の懸案である、いわゆる従軍慰安婦問題について、「早期妥結」に向け交渉を加速させることで合意した。ただ、双方の立場には隔たりが大きく、解決への道筋は見えていない。

 約1時間40分に及んだ会談で、朴大統領は慰安婦問題について「両国関係改善の最も大きな障害だ」と述べ、早期解決を要求。首相は「未来志向の関係を築いていくため、将来の世代の障害にならないようにすることが重要だ」と同意した。両首脳は、今年が国交正常化50年に当たることを踏まえ、外務省局長級で進めている協議を加速させることで一致した。

 朴政権は、慰安婦問題を解決したと見なすための具体的な条件を明示しているわけではない。ただ、韓国の元慰安婦支援団体は日本政府が法的責任を認めるよう主張しており、要求水準をこれより下げるのは困難とみられる。これに対し日本政府は、法的問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決した」との立場だ。

 これに関し、日本政府関係者は2日、「人道的見地に立った対応は法的問題とは別だ」と指摘した。ただ、日本側は仮に法的問題を棚上げして政府間で合意しても、韓国政府が国内の批判にさらされればほごにしかねないと警戒しており、踏み込んだ解決案は提示できていないのが実情だ。

 両国間には他にも、韓国人元徴用工の賠償請求権問題や、産経新聞前ソウル支局長への懲役求刑、韓国による日本産水産物の輸入規制などの懸案が山積している。これらに関し、首相は会談で日本の立場を主張し、韓国側の善処を求めた。

 一方、首相は中国が南シナ海で人工島を造成している問題に言及。米軍の艦艇派遣を「直ちに支持した」と説明した上で、「開かれた自由で平和な海を守るため、米韓と連携していきたい」と述べ、米国の同盟国として日本と足並みをそろえるよう促した。 

[時事通信社]

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