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【露旅客機墜落】
墜落機、空中分解か エジプト、163遺体を収容
【モスクワ=黒川信雄】エジプト北東部シナイ半島で10月31日に墜落した露コガルイム航空のエアバスA321旅客機(乗客乗員224人)に関し、旧ソ連諸国が組織する「国家間航空委員会」当局者は1日、機体が空中で分解したとの見解を明らかにした。インタファクス通信が伝えた。当局者は「墜落原因は特定できていない」としたが、事実なら墜落前に機体に何らかの異常が生じた可能性が高い。
一方、露外務省は1日、カイロの遺体安置所に163人の遺体が収容されたと発表した。同日中にもロシアに向け移送が開始される。エジプト政府はすでに飛行状況や操縦室の会話を記録したブラックボックスを回収。露調査団も現地入りし、墜落原因をめぐる本格的な調査が開始された。
同機は31日午前6時前にシナイ半島南部シャルムエルシェイクを離陸。現時点で機体トラブルによる事故との見方が強いが、コガルイム航空側は墜落機に整備上の不備はなく、人為的ミスの可能性も考えにくいと主張している。
AP通信によるとルフトハンザ、エールフランス、エミレーツ各航空会社は1日までに、原因解明までシナイ半島上空の飛行を回避すると発表した。