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【大山文兄のV1ウオッチ♯18】「秋晴れのライトターン」

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【大山文兄のV1ウオッチ♯18】「秋晴れのライトターン」

更新 sty1511020012
秋晴れに恵まれた羽田空港を、ソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影) 秋晴れに恵まれた羽田空港を、ソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)
V1スポットからのプッシュバックを終えて、RW34Rを目指す政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)
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V1スポットからのプッシュバックを終えて、RW34Rを目指す政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 安倍首相は1日午前、中国の李克強首相、韓国の朴槿恵大統領との3カ国首脳会談に出席するため、羽田空港から政府専用機でソウルに出発しました。3カ国首脳会談は2012年5月以来、約3年半ぶり。会談後、共同宣言を発表し、2日午前には朴大統領就任後初となる日韓首脳会談が行われます。

RW34Rからソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)
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RW34Rからソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 実は1週間ほど前のことですが、ちょっと悔しい出来事がありました。安倍首相は10月22日から28日までの日程で中央アジア5カ国の歴訪を行いましたが、この出発の22日、当番デスクのため取材に行くことができなかったのです。これまでにも取材に行くことのできない日は多々ありましたが、羽田から送信されてきた写真を目にし、思わずくぎ付けになってしまいました。

安倍首相のモンゴル・中央アジア訪問のため羽田空港を出発した政府専用機には、訪問する各国との友好関係を確認しあうため搭乗口に「中央アジア+ジャパン」のイメージキャラクターの特別ラッピングがほどこされていた。安倍首相が搭乗口横の特別ラッピングに気付くと、昭恵夫人はカバンからスマートフォンを取り出し写真を撮っていた =22日午前、羽田空港(三尾郁恵撮影)
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安倍首相のモンゴル・中央アジア訪問のため羽田空港を出発した政府専用機には、訪問する各国との友好関係を確認しあうため搭乗口に「中央アジア+ジャパン」のイメージキャラクターの特別ラッピングがほどこされていた。安倍首相が搭乗口横の特別ラッピングに気付くと、昭恵夫人はカバンからスマートフォンを取り出し写真を撮っていた =22日午前、羽田空港(三尾郁恵撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 その写真とは、安倍首相夫人の昭恵さんが政府専用機に乗り込む際、タラップ上で機体に張られた何かをスマホで撮影している写真だったのです。「なんだろう?」PC上で拡大してみると、政府専用機L1ドア右横の機体に何かがラッピングされているではないですか!。慌てて撮影者に電話確認すると「確かに何かが張られていましたが…よく分かりません…」とのこと。現場でおかしいと気づき、取材してきてくれればよかったのですが…。

 まあ、普段から政府専用機を撮影していないカメラマンにとってはその違いすら分からないのかもしれません。私ばかりが毎回取材している弊害ともいえます。結果的に他社もそのラッピングに関しての詳しい報道を行いませんでしたが、V1ウオッチャーとしては、その場に立ち会えなかったこと、撮影できなかったことが悔やまれました。 

 それから昼のネットニュースに間に合わせようと、防衛省、外務省とたらい回しにされながら電話取材を続けました。そしてこのラッピングされていたデザインが、中央アジア地域を舞台とした漫画「乙嫁語り」の作者、森薫さんが「中央アジア+日本」対話10周年記念のイメージキャラクターとして手がけたものだと判明しました。

「中央アジア+日本」対話10周年記念イメージキャラクター(外務省提供)
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「中央アジア+日本」対話10周年記念イメージキャラクター(外務省提供)フルスクリーンで見る 閉じる

 描かれている女性たちはそれぞれカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの中央アジア5カ国と、日本の国旗をイメージした衣装をまとったもの。「訪問国との友好関係を確認しあうため、特別にラッピングをお願いした」(外務省)ということですが、政府専用機にこのようなラッピングが行われることは大変喜ばしいことではないでしょうか。

 当然といえば当然ですが、この小ネタは産経新聞には掲載されませんでした。それでも産経ニュースに掲載され、航空ファンだけでなく、森薫さんのファンにも喜んで頂きうれしい限りです。大勢が取材している中で小さな変化に気づいてお伝えする。これこそV1ウオッチ連載の目的なのですが、できれば私がこの撮影を行いたかったです。

日中韓首脳会談のため、ソウルに向けて政府専用機に乗り込む安倍首相 =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)
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日中韓首脳会談のため、ソウルに向けて政府専用機に乗り込む安倍首相 =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 そしてこのラッピング、なかには今回の訪韓にも…と、思っていた方も多かったのではないでしょうか。残念ながら10月28日の千歳帰投後はがされてしまいましたが、航空ファンの多くが今後もこのようなラッピングを楽しみにしています。そして訪問国に対しても大きなアピールになると思うのですが、どうでしょう外務省、防衛省の担当者様…。

秋晴れに恵まれた羽田空港を、ソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)
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秋晴れに恵まれた羽田空港を、ソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 話は1日のフライトに戻りますが、この日は秋晴れのため、RW34Rを離陸した政府専用機がライトターンしていく姿がきれいに撮影できました。そこで安倍首相搭乗機の撮影終了後、VIPスポットから車で城南島まで移動。任務機から30分後に離陸する副務機の離陸も撮影することができました。実は以前から何度もチャレンジしていたのですが、警備による車の渋滞と信号に阻まれ、今回が初成功となった次第です。

 これからの季節、北風と空気の澄んだ日が続き、航空機撮影のベストシーズンを迎えます。私も次回はもう少し長めのレンズを持って京浜島、間に合えば城南島で副務機を撮影したいと思っています。

(写真報道局・大山文兄)

2015年11月1日のまとめ
安倍首相搭乗機(ソウルでの日中韓首脳会談参加のため)
使用機材:Boeing 747-400
機体番号:20-1101(副務機20-1102)
コールサイン:ジャパニーズエアフォース001
使用滑走路:RW34R
スポット:V1(スポットアウト9:28)

☆V1ウオッチ全編は 【コチラから】

V1スポットで安倍首相の搭乗を待つ政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101)。迎賓室が工事中のため、いつもとは若干違う撮影位置で撮影出来た1枚 =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)
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V1スポットで安倍首相の搭乗を待つ政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101)。迎賓室が工事中のため、いつもとは若干違う撮影位置で撮影出来た1枚 =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)フルスクリーンで見る 閉じる
秋晴れに恵まれた羽田空港を、ソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101)と、V2スポットに駐機中の副務機(ボーイング747-400・機体番号20-1102) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)
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秋晴れに恵まれた羽田空港を、ソウルに向かって離陸する政府専用機(ボーイング747-400・機体番号20-1101)と、V2スポットに駐機中の副務機(ボーイング747-400・機体番号20-1102) =1日午前、羽田空港(大山文兄撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

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