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【捕鯨の誇りを背負い(1)】追い込み漁は知恵比べ 成功半分、日々勉強 太地いさな組合長、松本修一さん

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【捕鯨の誇りを背負い(1)】
追い込み漁は知恵比べ 成功半分、日々勉強 太地いさな組合長、松本修一さん

父親の後を継ぎ捕鯨の道に。天候が良ければ、早朝から愛船「由真丸」で追い込み漁に出る

 ただ種類によって群れに大小があって、バンドウイルカなら300から400頭になるときもあります。ですからまず、どの鯨種なのかをしっかり確認する必要があります。その時に狙っている鯨種、難しい鯨種であれば、すべての船が集まって追い込みを始めます。

 --イルカ、クジラとの知恵比べの始まりですね

 松本 鯨種によっては追い込める確率が低いものもあります。オキゴンドウは25年ほどの追い込み漁の経験の中でも数回しか捕れていません。漁全体の成功率は半分ぐらいかな。自然相手ですし、結果が良くても次に通用するかもわからない。毎日が勉強です。

 --太地町は長い歴史の中で、捕鯨と向き合ってきました

 松本 昔の人は高台になっている燈明崎からクジラを見て、水深が浅くてクジラが逃げにくい地形を生かしながら捕鯨をしていたと思います。畑でもその土地その土地で適した作物を作るのと同じように、太地はクジラだったのではないでしょうか。今の追い込み漁では食肉用や飼育用などを選別して必要数だけを捕獲しますし、対象外のものや親子のイルカは逃します。

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