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【捕鯨の誇りを背負い(1)】追い込み漁は知恵比べ 成功半分、日々勉強 太地いさな組合長、松本修一さん

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【捕鯨の誇りを背負い(1)】
追い込み漁は知恵比べ 成功半分、日々勉強 太地いさな組合長、松本修一さん

父親の後を継ぎ捕鯨の道に。天候が良ければ、早朝から愛船「由真丸」で追い込み漁に出る

 和歌山県太地町で行われているイルカや小型鯨類の追い込み漁。今年5月には世界動物園水族館協会(WAZA)の改善・除名通告を受けて日本動物園水族館協会(JAZA)が加盟園館に追い込み漁によるイルカの入手禁止を決定した。必要数以外は捕獲せず、時には海に逃がし、伝統を受け継いできた太地町の漁師たちの“心”。日々、漁を行っている太地いさな組合の松本修一組合長に話を聞いた。(聞き手 小泉一敏)

 --今朝も追い込み漁に出られていたんですね

 松本 はい、船は夜明けとともに、ここ太地港から出漁します。今は、12隻で合計21人が漁をしていますね。まずは群れを発見することが大事。双眼鏡でそれぞれの船が扇状に広がって探します。沖合約15マイルほど探しますが、天候などの条件の良い時にはさらに足を伸ばすこともあります。

 --群れを発見できればどのように追い込むのでしょう

 松本 イルカやクジラは音に敏感です。船で取り囲みながら、音が広がりやすいようにラッパの形をした鉄の管を船の横から海に沈め、かなづちでたたきます。音から逃げようとするイルカやクジラをうまく誘導して、湾の方に追い込んでいくのです。そのため、「追い込み漁」と呼ばれるんですね。陸に近い場所なら、水深が浅くなるのを利用しながら追い込みます。

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