▼…リング上で屈強なレスラーに立ち向かう「黒のカリスマ」も、家庭では二歳半の息子を育てるやさしいパパ。
「笑われそうだが、息子はかぶりつきたくなるほどかわいい。毎朝、お風呂に入れて幼稚園に送るのが日課。車で何気ないやり取りをしながら、息子の気分や気持ちの変化を感じ取っている。最近は我が強くなって、少し反抗するようになった。食事の前に手を洗いなさいと言っても『やだやだ』なんてね」
「先日は幼稚園に行く前にふてくされて駄々をこねた。気になったので送り届けた後、こっそり様子を伺っていると、息子はなかなか友達の輪に入れないでいた。自分に似て、二歳なのに体重二三キロ、身長も一メートル超。同い年の子とまるでサイズが違う。仲間に入れてもらえず、フラストレーションがたまっていたようだ」
▼…結婚十五年目にして初めての子ども。生活は息子中心に一変した。
「四十歳に差しかかるころ、やっぱり子どもがほしいと思い、夫婦で不妊治療を始めた。妊娠を知った時はうれしくて、妻と病院に検査に行くのが楽しみで仕方がなかった。今夏には二人目が生まれる。待ち遠しさは変わらない」
「今は夜九時ごろには息子と川の字になって寝てしまう。年百試合ほどある試合の三分の一は地方巡業だが、名古屋や仙台なら試合後にとんぼ返り。深夜二時に帰って翌朝七時に息子をお風呂に入れることも多い。お酒のつき合いもなくなり、仕事の打ち合わせはランチミーティング。ここ数年、けがや病気が続いたけれど、子育ては健康にも良いよ」
▼…子育ては待ち、我慢すること。親が子をコントロールすることは反対だという。
「男の子は遊びたい時はとことん遊びたいし、泣きたい時はとことん泣きたいもの。大人みたいに『腹八分』なんてできないから、納得いくまで、気の済むまでやればいい。自分も高校生のころは不良と呼ばれ、やんちゃをしていた。息子も『寄り道』するかもしれない。でもそれは自分で何とかするしかない。アクセルを踏んでハンドルを操るのは息子。親はブレーキのかけ方だけ教えればいい」
「最近のひそかな楽しみは、息子の寝姿を見ながら将来を想像することだ。サッカーのドイツ一部リーグでプロデビューとか、アマレスや柔道でオリンピックに出場するとか。全部自分の夢なんだけれどね」
ちょうの・まさひろ 米国シアトル生まれ、東京都育ち。1984年に新日本プロレスへ入門、同年10月にプロデビュー。アパレル会社「アリストトリスト」の代表も務める。45歳。