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[東京 12日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は12日、都内の政策研究大学院大学の学位授与式で講演し、デフレ脱却には中央銀行のコミットメント(目標達成の意思)の強さが重要との認識を改めて示した。
黒田総裁は卒業生に対して、1)理論と実践の調和、2)多様性の重視─━などの必要性を説いた。
日銀が量的緩和などさまざまな緩和手段を試みたにもかかわらず15年間デフレが継続したのは、内外経済学者の研究などを踏まえると、「日銀のコミットメントが弱く、期待に働きかける力が十分でなかったため」と分析。「量的・質的緩和(QQE)は、そうした経験と理論の蓄積を踏まえて生まれた」と説明した。
また、旧大蔵省(現財務省)主税局で消費税導入や所得税減税を検討する際には、課税に伴う損失を最小化する「最適課税論」を英国で学んでいたことが活きたなどと説明。「どのような経済モデルを念頭に置いているか明らかにして議論しない限り、望ましい政策対応は生まれない」などと指摘した。
(竹本能文、伊藤純夫 編集:田中志保)
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