そもそも、中国のGDP統計は、発表時期からしておかしい。中国の7-9月期GDPは10月19日に発表されたが、これはアメリカの2週間前、日本やユーロ諸国の1ヵ月前にあたる。異常ともいえる早さだ。
GDP統計は、各種統計の加工・二次統計なので、算出には一定の時間が必要である。先進各国が知識や技術の粋を集めて算出しているのに、中国だけがこんなに早く発表できるということ自体、きちんとデータを精査していない証左だ。
では、中国の「本当のGDP成長率」はどれほどなのか。私は独自のデータから中国経済を分析。真のGDP統計を導き出した。
だが、その試算を発表する前に。
まずは中国のGDP統計がいかにでたらめか、そのなかで信頼のおける統計データは何か、を見ていこう。
信頼できるのは「李克強指数」
先進各国のGDPが正しいかどうかは、いくつかの指標によって分析されている。それらを中国に当てはめて見ていきたい。
まず、GDPの成長率と負の相関関係があるとされているのが、失業率だ。つまり経済成長すれば、失業率は減る。これは経済学の世界では、オーカンの法則として知られている。
中国が発表した今年3月の失業率は4・05%。前年同期の4・08%をやや下回る程度だった。GDP7%増という経済成長を遂げているならば、失業率はもっと劇的に下がっているはずだが、そうはなっていない。
そもそも、中国では全国を網羅した失業率の調査も実施されていない。中国での失業率の正式名称は「登記失業率」といい、これは政府に「登録された者」しか含まれていない。事実上は失業しているが、確認が取られておらず、「登記失業率」に入らない者が非常に多いのだ。
失業率だけでなく、物価もまた、GDP統計を分析する上で重要視されている。経済学におけるフィリップス曲線をもとにすれば、GDP成長率と物価は正の相関関係にあることになる。GDPが増えれば物価もまた上昇するのだ。
中国における9月の物価上昇率は、前年同月比で1・6%。確かに上昇してはいるが、そもそもこの数値をどのように算出しているのかが、まったく見えないのが問題だ。
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