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格安スマホ 新規参入相次ぐ
11月2日 7時45分

格安スマホ 新規参入相次ぐ
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携帯電話の利用料金の引き下げについて、総務省で検討が進むなか、いわゆる「格安スマホ」など、割安な料金でサービスを提供する通信事業者の新規参入が相次いでおり、顧客の獲得に力を入れています。
総務省は携帯電話の料金を引き下げるため、先月から有識者会議で議論を行っていて、サービスを限定する代わりに割安な料金で提供する、いわゆる「格安スマホ」の利用者を増やす方策も、テーマの一つになっています。
総務省によりますと、格安スマホなどを手がけるMVNOと呼ばれる事業者は180社余りで、流通大手イオンやインターネット通販大手の楽天など異業種からの参入も相次いでいますが、ことし9月末の時点で、携帯電話などの契約全体に占める割合は、6.3%にとどまっています。
このうち、7年前に乗り出したインターネットイニシアティブは、サービスの仕組みを説明するセミナーの開催を徐々に増やしていて、初心者にも浸透を図ろうとしています。これまでの利用者は技術などに詳しい人が多かったということですが、この会社はセミナーを開くだけでなく、相談コーナーも設けて、初心者の疑問にも応えることで、知名度の低さなどによる不安を解消しようとしています。セミナーに参加した20代の男性は「通信費が安くなればと思って来てみた。設定が難しいと思っていたが、話を聞いて、だいぶ不安は減った」と話していました。
インターネットイニシアティブの堂前清隆技術広報担当課長は「MVNOが、何か分からないから怖い、怖いから使わないという人もいるが、こうしたイベントを通して安心してもらい、選択肢に加えてもらいたい」と話していました。

一方、先月、この分野に新規参入したケーブルテレビ大手のジュピターテレコムは、ケーブルテレビの契約をしている高齢者層を、新たなターゲットにしています。この会社の専用端末は折りたたみ型で、ボタンを押して操作できる、いわゆる「ガラケー」に近いタイプです。MVNOは大手通信会社と比べてアフターサービスに不安があるという声があることから、この会社は、ケーブルテレビの営業職員が利用者の家を訪ねて、使い方を説明するなどサポート体制も整えています。75歳の男性は「大手通信会社のスマホでは、今使っている携帯電話の利用料金の倍以上かかってしまう。ガラケーの延長線上にあるようなスマホなら自分でも使えるかな」と話していました。
ジュピターテレコムの牧俊夫社長は「営業人員が、きちんと説明して利用者が使いこなせるまでサポートをしていく」と話していて、「格安スマホ」を提供するMVNOの間で、顧客の獲得競争が激しくなっています。

格安スマホの仕組みは

いわゆる「格安スマホ」などを提供するMVNOと呼ばれる通信事業者は、大手通信会社と比べてサービスの内容を限定することによって、割安な利用料金でスマートフォンを利用できるようにしています。
具体的には、利用できる通信量の上限を低く設定するなどサービスの内容を制限したり、自前の店舗を持たず、アフターサービスも限定したりする事業者が多くなっています。さらに、大手通信会社から通信回線を借りることで、基地局の増設といった設備投資をしなくて済むことからコストを抑えることが可能になっています。
MVNOは、主に割安な利用料金のサービスを提供していて、端末のスマートフォンは販売していない事業者が多く、必要な手続きを取れば、現在、使っているスマートフォンでもMVNOのサービスを利用することができます。中には、いわゆる「格安スマホ」と呼ばれる中国メーカーなどが製造する低価格の端末などと、通信料金のセットで、よりお得なサービスを提供する事業者もあります。
総務省によりますと、ことし9月末までで、MVNOの契約件数は997万件で、1年前より25.9%増加していますが、携帯電話などの契約全体に占める割合は、6.3%にとどまっています。

専門家「認知度向上が鍵」

スマートフォン市場に詳しいMM総研の横田英明研究部長は「大手の通信事業者のサービスは、例えるなら高速道路のように、いつでも通信速度が速い。ただし、料金も高い。それに対して、目的地にそんな高速ではなくて、ゆっくりでもいいから、安い料金でたどり着きたいというユーザー、一般道を走っていきたいというようなユーザー向けのサービスがMVNOだ。今後、どれだけ認知度が上がってくるかが重要だと思う」と話しています。さらに、「現状、大手3事業者のサービスを使っていて、料金面に納得していないユーザーは多い。認知度が上がってきて、かつサービスの品質も上がってくれば、将来的には全体の契約者数の1割、2割まで成長する可能性は十分ある」述べ、認知度とサービスの品質の向上が、MVNOの普及に向けた鍵になると考えを示しました。

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