国立中央博物館が、日本の植民地支配からの解放後、6回にわたる流浪の末、ソウル市竜山区の現在地に建てられてから今年で10年になる。「韓国のものこそが最高だ」という視点にとどまらず、このようにアジア全体を扱うハイレベルな展示を行えるほど成長したということに拍手を送りたい。だが、先進国の博物館と肩を並べるまでにはまだ道のりは遠い。昨年時点で年間39億ウォン(約4億1650万円)程度だった遺物の購入費を大幅に増額する必要がある。米国のメトロポリタン美術館の1年間の美術品購入費は350億ウォン(約37億3765万円)程度だ。39億ウォンというのは、海外に散らばっている高麗時代の最高級の仏画や陶磁器を1点購入するのも不十分な金額だ。
博物館はまさにその国の文化レベルを表している。米国や日本などの博物館は、各種の基金をはじめ、個人の収集家からの寄贈、寄付も活発だ。今回の展示に当たって借り受けた米国の博物館の収蔵品の多くは、「ジョン・ステュアート・ケネディ基金」「ロジャース基金」などの説明があり、本当にうらやましく思う。困難な時期に大金を出してまで二つの半跏思惟像を守った純宗の思いを、今の韓国人は半分も持ち合わせているだろうか。