【コラム】日本のように他国のものを自分たちのものと受け入れる賢明さが必要

企業の国籍に噛み付いたところで一体何の利益になるのか

【コラム】日本のように他国のものを自分たちのものと受け入れる賢明さが必要

 英国自動車産業の誇りとされていたロールス・ロイスは1998年、ドイツのメーカーに売却された。工場をはじめとする大半の資産はフォルクスワーゲン(VW)に売り渡され、商標権はBMWグループの手に渡った。現在、ロールス・ロイスブランドの車はドイツの資本でドイツ人社長の指揮の下、BMWのエンジンを用いて製造されている。ならば、ロールス・ロイスはどこの国の車なのだろうか。「占領軍」とも言えるドイツ人の最高経営責任者(CEO)が何と答えるのか興味津々だったが、答えははっきりしていた。「英国車」だというのだ。このCEOは、資本はドイツのものだが、ロールス・ロイスは英国の精神に基づき英国の工場で製造される英国の車だと答えた。

 韓国のインターネットサービス大手ネイバーの日本法人、LINE株式会社が運営する同名の無料通信アプリは、日本で絶大な人気を博している。台湾や東南アジアも掌握し、アプリの利用状況を示す月間アクティブユーザー数が2億人を超えて久しい。そのLINEの国籍はどこなのだろうか。LINE株式会社がネイバーの100%子会社のため韓国国籍のように思えるが、日本では見方が違う。日本の雑誌『AERA』はLINEアプリについて「日本が作った世界の生活インフラ」と表現した。また、大半のメディアも、100%韓国資本で作られたとしながらも「純国産」「和製」などと伝えている。日本人の若手開発者たちが日本の個性を生かして作り上げたためという理由だ。

 「このグローバル時代に、企業に国籍も何もない」という言葉が純真な錯覚であることを、私たちは知っている。企業を買収した後に中身だけを抜き取って送金後に門を閉ざしてしまったり、韓国が経済危機に陥るやすぐに手を切ったりする外国企業をたくさん見てきた。韓国の経済状況が厳しくても最後まで残るのは、結局は韓国企業なのだろう。

崔洽(チェ・フプ)朝鮮経済iウィビ研究所長
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