「女は3日に1回殴れだって? じゃあ男は息をするたび1回殴らなきゃね!」
インターネット上に飛び交う「女性嫌悪(ヘイト)」に対し、韓国の女性たちが反撃に出た。いわゆる「女嫌嫌(女性嫌悪に対する嫌悪)」だ。ネット連帯「MEGALIA(メガリア)」は「女嫌嫌」を旗印に掲げる女性の集まりだ。「MEGALIA」とは「MERS(中東呼吸器症候群)」と「Egalia」の合成語。「Egalia」はノルウェーの作家Gerd Brantenbergの小説『Egalia’s Daughters』の舞台で、男女の性的な役割が逆になった仮想の世界のこと。この本は代表的な女性学入門書と言われている。
メガリアは今年6月に韓国でMERS感染が拡大したとき、インターネット・コミュニティー「DCインサイド」のMERS掲示板で誕生した。メガリア運営スタッフは、電子メールによる本紙インタビューに「メガリアは『もしMERS感染を最初に拡大させた人物が男性ではなく女性だったら、世間はどんな反応だっただろうか』という質問から始まった」と語った。
DCインサイドには当時、香港行きの航空機内でMERS感染者と同乗し、隔離されることを拒否した韓国人女性に対して、女性を非難する書き込みが相次いでいた。メガリアは8月にDCインサイドから出て、別のインターネットサイトを立ち上げた。メンバーは徹底した匿名性を目指している。電子メール認証さえすれば誰でも参加できるが、正確なメンバー数は公表されていない。メガリアのフェイスブック公式ページ「メガリア4」には22日現在で約1万2800人が「いいね!」をクリックしている。
ネット上で繰り広げられる「女性嫌悪」活動の中心には、保守系コミュニティーサイト「日刊ベスト貯蔵所(イルベ)」がある。メガリアはイルベに対抗するとして、「女嫌嫌」戦略に「ミラーリング」という方法を取っている。これは、相手の言動を鏡のようにまねて返す行為を意味する。
イルベを中心にさまざまな女性嫌悪用語が広がっていく姿を、メガリアは鏡のように「反射」する。虚栄心が強い韓国人女性を意味する「キムチ女」に対しては「キムチ男」「韓男虫(虫のような韓国の男)」などという新語を作った。「女は3日に1回殴らなければならない」という意味の韓国語を略した「サムイルハン」に対抗し、「男は息をするたびに1回殴らなければならない」という意味の韓国語を略して「スムシュィルハン」という言葉も作った。