仁川市南洞区にある新世界デパートで、店員2人が床にひざまずき、客に謝罪する様子が写っている動画や写真がインターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で急速に広まっている。これについて「甲質(強い立場にあって、弱い立場の人を責める)客」ではないかとまた騒動になっている。店側は「店員たちは穏便に済ませようと自らひざまずいた」と説明したが、ネットなどには「やりすぎだ」という書き込みが相次いでいる。
16日にSNS上に掲載された1分27秒間の動画には、黒の制服を着た店員2人がひざまずいており、ベージュのコートを着た女性客がその向かい側のいすに座って怒鳴っている様子が写っている。ポケットに手を入れたままの女性客は、土下座した店員たちをぞんざいな言葉遣いで責め立てている。
発端は、アクセサリーの修理に関することだった。新世界デパートによると、この動画に出てくる女性客(30)は同日午後3時ごろ、デパート1階にあるクリスタルガラス・ブランド「スワロフスキー」の売場にやって来た。10日に母親がこの店に来て、7年前に60万ウォン(約6万円)で買ったネックレスやブレスレットを無償で修理するよう言ったが、拒否されたことに抗議するためだった。女性客の母親が店に来た時、店員は「品質保証書がなく、かなり時間がたっているため無償修理は難しい」と言ったという。このため女性客は13日にスワロフスキー韓国本社に電話をかけて抗議し、本社が無償修理を約束したというのだ。3日後の16日、女性客は母親のネックレスやブレスレットを持って店を再び訪れた。
女性客は店員に「本社では無償で修理すると言ったのに、なぜ母が来た時は無償修理ができないと言ったのか。母は侮辱されたと感じた」と強く問い詰めた。このため店員が「申し訳ありません。無償修理をいたします」と答えたという。それでも女性客の抗議は止まず、結局店員2人をひざまずかせたとのことだ。スワロフスキー関係者は「女性客の抗議を受けた店員のうち、経験10年以上の『マスター』店員が『私が土下座したら解決できるでしょうか?』と言って急にひざまずいた」と説明した。