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日中韓首脳会議の定例化確認 FTA交渉加速へ
11月1日 16時55分

日中韓首脳会議の定例化確認 FTA交渉加速へ
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およそ3年半ぶりに、開かれた日本と中国、韓国の首脳会議で、安倍総理大臣ら3首脳は首脳会議の定例化を確認するとともに、3か国によるFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を加速させることで一致しました。首脳会議後の共同記者発表で安倍総理大臣は、来年、日本が議長国として会議を主催する考えを示し、成果を強調しました。
およそ3年半ぶりにソウルにある韓国大統領府の迎賓館で開かれた日本と中国、韓国の首脳会議は、1日午後2時すぎから、およそ1時間半余りにわたって行われました。
このあと安倍総理大臣は、中国の李克強首相、韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領とともに共同記者発表に臨み、議長国のパク・クネ大統領は3か国の首脳会議の定例化を確認したことを明らかにしました。
安倍総理大臣は、「日本、韓国、中国は、お互いに隣国で、隣国であるが故に難しい問題もあるが、だからこそ私は、かねてから首脳レベルの会談を行って、話し合いを進めていくべきだと繰り返し述べてきた。今回、3年半ぶりに、首脳会議が開催されたことは、3か国にとっても、地域にとっても、画期的なことだ」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は、「日本、韓国、中国の3か国は、経済的にも極めて密接なつながりを持ち大きな可能性を持っている。3か国のFTA=自由貿易協定について、交渉を加速させていくことで一致した」と述べました。
そして、安倍総理大臣は、「地域情勢に関しては、北朝鮮について日本にとって最重要課題である拉致問題の解決に向け、私から両首脳に対して強く訴えかけた。挑発的な行動を自制し、国連安保理決議や、6者会合の共同声明を順守し、非核化に向けた具体的な行動をとるよう、3か国で連携して北朝鮮に強く促していくことを首脳レベルで確認できたことは、大きな成果だ」と述べました。
さらに安倍総理大臣は、「3年半ぶりに開かれた、本日の首脳会議を通じて、3か国による協力プロセスを、正常化させることができたことは、大変大きな成果だ。来年は、日本が議長国として、3か国の首脳会議を主催する。本日の前向きな議論を出発点に来年、日本で行われる首脳会議を実り多きものにしていきたい」と述べました。

パク大統領「歴史的な意義大きい」

韓国のパク・クネ大統領は、3か国首脳会議の終了後の共同記者発表で、「北東アジアの平和と繁栄のための重要な枠組みである3か国間の協力体制が復活したことは、歴史的な意義が大きい」と述べ、首脳会議の定例化で合意したことを明らかにし、日中韓3か国の枠組みを正常化する契機になったと評価しました。
そのうえで北朝鮮について、「朝鮮半島の平和と安定の維持は、共通の利益であり、北朝鮮の非核化の目標を堅持しなければならないことを再確認した。北朝鮮の核問題を巡る6か国協議の早期再開のために、ともに努力していく」と述べ、北朝鮮の非核化に向けて3か国が一致して対処していくことを強調しました。
さらにパク大統領は、「今回の首脳会議で成し遂げられた成果を基に、今後も揺らぐことなく3か国の協力を発展させていく」として、日中韓3か国のFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を加速させることを含め、幅広い分野での協力を推進していく考えを示しました。

李首相「3か国の協力を強化すべきだ」

およそ3年半ぶりに韓国で開かれた日本と中国、韓国の首脳会議のあとの共同記者発表で、中国の李克強首相は「3か国が東アジア地域の経済発展のためにバランスをとる重しになるべきだ」と述べ、東アジアの経済一体化に向けた3か国の協力を強化すべきだという考えを示しました。
この中で李克強首相は、「今、世界経済の回復に力強さがなく、アジア経済の繁栄が続くかどうかに各方面の関心が集まっている」としたうえで、「3か国は東アジアの3大経済大国で、地域の発展のけん引役だ。地域の経済成長や金融安定のためにバランスをとる重しになるべきだ」と述べました。
そして、3か国のFTA=自由貿易協定の交渉を加速するなど、東アジアの経済一体化に向けた協力を強化すべきだという考えを示しました。一方、李首相は「われわれは、歴史を直視して未来に向かい、歴史の敏感な問題を適切に処理して3か国の協力を進めることで一致した。3か国の指導者の対話メカニズムを2度と妨害してほしくないし、また、そうならないと信じている」と述べ、日本に対して、歴史問題で前向きな対応を促しました。

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