
ゆっくりと背後から忍び寄る魔の手、怒り狂った地球外生命体など、ホラー映画には数々の怖ろしいダークヒーローたちが存在する。だが、そのダークヒーローがどのように作られているのかを知ってしまうと、もしかしたらそんなに怖くなくなるかもしれないし、そうでもないのかもしれない。
ここでは8人の有名なホラー映画のダークヒーローたちの誕生秘話を見ていくことにしよう。
1. ブギーマン −『ハロウィン』

ゆっくりと足を引きずりながらも犠牲者を捕まえるその卓越した能力はもちろん、ブギーマンを恐ろしげに見せるのは、その無表情なマスクだろう。表情を隠すことで人間性までも隠してしまう。
だが、このマスクは『スタートレック』で使うために作られたカーク船長のデスマスクなのだ。カーク役のウィリアム・シャトナーは孫とのハロウィンの日、このマスクを被ってドッキリを仕掛けたそうだ。
2. ビリー人形 −『ソウ』

人形はどれもある種の不気味さを漂わせるが、ジグソウの代わりであるビリー人形は特に不吉さを醸し出している。でもこれは実にありふれた材料でできている。
『ソウ』の1作目の予算は1億円ほどしかなかった。そこで、監督のジェームズ・ワンは小銭を払って、張り子の材料からビリー人形を手作りすることにした。目は卓球の球で、体はペーパータオルの芯だ。
3. ゴーストフェイス −『スクリーム』

『スクリーム』の連続殺人鬼は偶然から生まれた。製作総指揮のマリアンヌ・マッダレーナは映画の最後のハウスパーティのシーンに使う古い家を探していた。ヒッチコックの『疑惑の影』が撮影されたこともある廃屋自体は気に入らなかったものの、そこで彼女はハロウィン用のマスクに出会った。
これにインスピレーションを受け、このマスクを監督のウェス・クレイヴンに見せると、彼もまた気に入った。このマスクのデザインはある会社が著作権を有しており、巨額の使用量を求めてきたが、監督が似たようなマスクを作りその使用を仄めかすと、結局折れたという。
4. フレディ・クルーガー −『エルム街の悪夢』

鉄の鉤爪は紛れもない本物である。ウェス・クレイヴンのツイートによれば、フレディ役のロバート・イングランドが初めてこれを装着する時に自分を切ってしまったそうだ。
このアイデアはペットの猫から得たと噂されていたが、今は亡き監督自身が人間として私たちが持っている根源的な恐怖について考えた結果だと語っている。
5. ハンニバル・レクター −『羊たちの沈黙』

拘束されたハンニバル・レクターが着けている不気味なマスクは、実にごく普通のホッケーのゴーリーマスクだ。彫刻家でもあるカスタムマスク製作者のエド・カバリーによれば、衣装デザインのコリーン・アトウッドから「噛み付き癖のある分裂病患者」にピッタリなものはないかと相談されたという。
そこでカバリーはゴーリーマスクのケージを逆さまにして削った後、口の部分に意地悪く見えるような棒を取り付けた。「5分程度で思いついて、スケッチを郵送したんだ」と自身のサイトに記載されている。
6. ジェイソン・ボーヒーズ −『13日の金曜日』

ホッケーのマスクを被る怪物はハンニバル・レクターだけではない。ジェイソンを忘れるわけにはいかないだろう。しかし、マスクが登場するのは3作目のことで、それまでは麻袋で頭部を隠していた。
PART3で照明のチェックをしていた時、熱烈なホッケーファンであった担当者が、光と影を確かめるためにデトロイト・レッドウィングスのゴーリーマスクを使ってはどうかと提案した。これが大好評で、マスク姿のジェイソンはそのまま映画で使われるようになった。
7. 狼男 −『狼男』

文字通り解釈するなら、ロン・チェイニーJr主演の古典映画の怪物は「狼男」ではなく、「ヤク男」と呼ばれるに違いない。これを演じるにあたって、彼は数時間かけてヤクの毛を顔に貼り付けている。メイク完成には6時間、剥がすために3時間かかったそうだ。
8. チャッキー −『チャイルド・プレイ』

皮がなければ、チャッキーはさらに恐ろしい容貌になっていたことだろう。怖いものが好きな方は、動画でチャッキーの真の姿を確かめてみよう。撮影に必要となる様々な動作が可能なように、9体のアニマトロニクスロボットが作成された。
the creation of chucky
via:mentalflosstranslated hiroching / edited by parumo
▼あわせて読みたい
実際に起きた事件をモデルにした10のホラー映画
悪夢にうなされる日々が続いてしまいそうな最新ホラー映画12作品
ホラー映画の恐怖に満ち溢れていた効果音はウォーターフォンという楽器で作られていた。
キャパ越えた。一度見たらもう二度と見たくないホラー映画17選
ホラー映画よりも怖い。本当にあった不気味な12のエピソード(※閲覧注意)
コメント
1. 匿名処理班
ハリウッドの狼男ってどの作品見ても狼に見えない。
類人猿に見える。
2. 匿名処理班
どれもレジェンドだろうけど、1456は本当に嫌なものを見てしまった不吉感がすごい
当時レクターのマスクは本当にああいう器具があるのかと思ってた
3. 匿名処理班
ちょっとまって。3番のゴーストフェイスだけど、
>ある会社が著作権を有しており、巨額の使用量を求めてきたが、
>監督が似たようなマスクを作りその使用を仄めかすと、結局折れたという
監督がマスクをつけて、猟奇殺人をほのめかすと、という意味か ?
4. 匿名処理班
案外金かかったCGよりも、多少安っぽさが残るもののほうが怖かったりするんだよね…
嫌な親近感がわくというか、自分の近くにもこんなのがいるかもしれないっていう怖さがある。
5. 匿名処理班
チャッキーも中身が剥き出しなら、スターウォーズに出られたな
6. 匿名処理班
ホントだ…舞台裏知ると頭が冷静になるのか怖くなくなるね(^^;)
7. 匿名処理班
※1
ハリウッドのSFXを否定したら、もう何も映画は観れないな。
8. 匿名処理班
昔は物理で作っていたから実在する恐怖感があった。
撮影舞台裏のほのぼのした写真や映像が公開されても
色あせる事のない強烈な不気味さがある。
9.
10. 匿名処理班
隠された設定秘話って制作の裏話のことか。
作中でなぜ彼らが殺人鬼になったのかとか、そういった話かと思った。
11. 匿名処理班
日本のホラーと、ハリウッドホラーの違いは、
祟る理由があるのが日本の悪霊
理由なく存在そのものが悪なのがハリウッド
神仏では、祟る霊を沈めたり八苦から逃れる事で成仏出来るという考え方だけど、
キリストでは、悪魔は存在そのものが悪だから、やってる事に理由はいらない。
でも映画の質は日本の方が上手いんだよね。
邦画のアクション系等は殆んどダメなのに
12. 匿名処理班
※1
変身途中とか、下手すると完全に変身したやつでもチューバッカぽいやつよくいる印象
アメドラのグリムの狼男も割とそんな感じで技術よりデザインの問題みたいな
某バンドみたいに完全な狼顔じゃ駄目なんだろうか
13. 匿名処理班
※1
アンダーワールドシリーズ見てないのか?
ありゃ相当なもんだよ
14. 匿名処理班
※11
上に出てるフレディもジェイソンも
出自と外見が原因で虐待されたり虐められたりしてるよ
15. 匿名処理班
ビリー人形はある意味リアルじゃん。
造形のプロが見た目の怖さや不気味さを追及するに当たって
チープな素材を使うことはあっても中身はもうちょっと撮影に支障の出ない
丈夫な構造にるするよね。
16. 匿名処理班
ブギーマンを検索したらガオーさんがでてきて
本物のホラー怪人よりびっくりしてしまった
17. 匿名処理班
スクリームの仮面の逸話がいかにもアメリカっぽいな。日本だったらいい宣伝になるからと、仁義さえ通せばタダ同然で使わしてくれるだろうに。
18. 匿名処理班
人間って怖い><