韓中首脳 北朝鮮問題で「戦略的疎通」強化

【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と中国の李克強首相は31日にソウルの青瓦台(大統領府)で行われた会談で、北朝鮮核問題や朝鮮半島統一などをめぐり両国が「戦略的疎通」を強化することで一致した。青瓦台が報道資料で明らかにした。

 それによると両首脳は、中国共産党序列第5位の劉雲山政治局常務委員が先月、北朝鮮の朝鮮労働党創建70年の記念行事出席のため訪朝して以降の朝鮮半島情勢について率直に意見交換した。

 中国最高指導部の政治局常務委員が訪朝するのは金正恩(キム・ジョンウン)政権で初めてで、訪朝を機に冷え込んだ中朝関係が改善するとの観測も出ている。李首相は会談で劉氏の訪朝の結果について説明したとされる。

 朴大統領は会談で、北朝鮮核問題をめぐり韓中がコンセンサスを強化していると評価し、中国が引き続き建設的な役割を果たすよう求めた。これに対し李首相は「朝鮮半島の非核化と平和、安定は両国共同の利益」だとして、今後も緊密に協力しながら6カ国協議再開などの北朝鮮の非核化に向けた努力を続けていこうと呼びかけた。

 経済・通商分野では、韓中自由貿易協定(FTA)の早期発効や韓中日FTAと東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉加速化に向け努力することで一致。朴大統領はまた、中国・上海での韓国ウォンと中国人民元の直接取引市場開設に触れたほか、両国の金融、通貨当局間の高官級協力チャンネル開設を提案した。

 また、文化産業と関連しては、協力の具体化や世界市場への共同進出などに向け協議することで合意した。

 一方、青瓦台関係者によると中国側は今回の会談で、米国との対立が続く南シナ海での中国による人工島建設問題に言及しなかった。日本との歴史認識問題についても取り上げなかったもようだ。

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