2015年11月01日

郵政グループ3社上場(金融日記 Weekly 2015/10/23-10/30)

10月第4週(26〜30日)の日経平均株価は週間で1.4%高の1万9083円10銭で引け、2カ月半ぶりの続伸となった。週前半は、日米の金融政策発表を控え見極めムードだったが、28日にはFOMCが変更なしで通過し、30日の場中に日銀が追加緩和を見送るニュースが流れると、直後に株価は下落したが、イベント通過を待っていた投資家からの買いが膨らみ株価は上昇に転じ、約2カ月ぶりに節目の1万9千円を回復した。個別銘柄では通期業績予想を下方修正した京セラが急落し、好決算だったパナソニック、業績見通しを上方修正したアステラスなどが買われた。

4日水曜日には、東証1部市場で、日本郵政とその子会社であるゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の3社が新規上場する。個人投資家を中心に人気となり、売出価格は3社とも仮条件の上限で決定した。日本郵政が約6900億円、ゆうちょ銀行が約6000億円、かんぽ生命保険が約1400億円調達することになる。初値が売出価格を上回るのか注目される。

●日本郵政の売出価格は1株1400円、3社とも上限で決定
http://jp.reuters.com/article/2015/10/26/jp-idJPKCN0SK0IC20151026

本日1日、安倍首相と中国の李首相、韓国の朴大統領はソウルで開いた約3年半ぶりの日中韓首脳会議で、日中韓自由貿易協定(FTA)について交渉を加速していくことを約束した。TPPでは、日米と環太平洋諸国で自由貿易を推進しているが、これはアメリカの対中政策の一貫であるとの見方もある。しかし、日本は、中国、韓国とも経済での連携を深めていくことが重要だろう。

●日中韓、FTA交渉加速で一致 首脳会議を定例化
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK01H2T_R01C15A1000000

11月第1週は、日本郵政グループ3社の上場により、株式市場全体には売り圧力が発生する(郵政株の購入資金は他の株を売って得るため)。国内企業の決算発表は、2日に日産自動車、4日にソフトバンク、5日にトヨタ自動車、KDDIなど。SMBC日興証券によると、29日までに発表を終えた東証1部243社の9月中間決算を集計すると経常利益は前年同期比17%増で2桁増益となっている。中国経済の減速の影響はこれまでのところ限定的だが、通期の業績見通しは楽観できない。

●中国減速、企業心理の重荷に…2ケタ経常増益も通期見通し慎重 9月中間
http://www.sankeibiz.jp/business/news/151031/bsg1510310500001-n1.htm

経済指標では、2日の中国製造業購買担当者指数(PMI)が中国経済を占う上で注目される。6日の米雇用統計も控える。エコノミストの予想では非農業部門雇用者数は18万人増程度となっており、上振れした場合、再び米国の年内利上げの観測が高まり、為替は円安ドル高に動くことが予想される。

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日本株

直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
出所: 日経新聞社

サイズ/スタイル/セクター別の週間パフォーマンス(2015/10/16-10/23)
サイズ/スタイル/セクター別の週間パフォーマンス
出所: 東証、日経新聞社、セクター指数はTOPIX17業種

個別銘柄の週間パフォーマンス(2015/10/23-10/30)
Chart20151025_Core30
出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス

FX

直近1年のドル円とユーロ円の推移
直近1年のドル円とユーロ円の推移
出所: セントラル短資

イールドカーブ(2015/10/30)
イールドカーブ
出所: Bloomberg.com

主要通貨の週間パフォーマンス(2015/10/23-10/30)
主要通貨の週間パフォーマンス
出所: セントラル短資

外国株とコモディティ

直近1年のS&P500と原油価格(WTI原油先物)の推移[USD]
直近1年のS&P500と原油価格(WTI原油先物)の推移[USD]
出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com

地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD](2015/10/23-10/30)
地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD]
出所: iShares: MSCI Japan (EWJ), MSCI Kokusai (TOK)、MSCI Core Europe (IEUR), MSCI All Country Asia Pacific ex Japan (AAXJ), MSCI Emerging Markets (EEM), GLOBAL REIT ETF (REET). Bloomberg.com: Oil WTI Futures (CL1), Gold Futures (GC1)

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今週のマーケット・イベント

11月2日(月):
日経10月PMI製造業
中国10月財新PMI製造業
日中韓首脳会談
ユーロ圏製造業PMI(確報)
米10月マークイット製造業PMI
米9月建設支出
米10月ISM製造業景況指数
決算:日産自、LIXILG、ダイハツ、ブラザー、セガサミー、マルハニチロ、米Visa、米AIG

11月3日(火):
米10月ISM製造業景況指数
米9月製造業受注
株式市場休場:日本(文化の日)
決算:米Tesla Motors

11月4日(水):
郵政グループ3社上場
日10月マネタリーベース
日10月消費者態度指数
日10月日経PMIサービス業
ユーロ圏サービス業PMI(確報)
米9月貿易収支
米10月マークイットサービス業PMI
米10月ISM非製造業景況指数
米10月ADP雇用統計
決算:JT、ソフトバンク、ホンダ、スズキ、小野薬、アサヒ、サントリーBF、JX、参天薬、カシオ、カルビー、IHI、横河電、出光興産、米Facebook

11月5日(木):
日銀金融政策決定会合議事要旨(10月6・7日開催分)
独9月製造業受注
BOE政策金利発表
ユーロ圏9月小売売上高
ドラギECB総裁講演
米3Q非農業部門労働生産性(速報)
決算:トヨタ、KDDI、三菱商、伊藤忠、楽天、クボタ、ダイキン、味の素、富士重、マツダ、丸紅、ローム、バンナム、京急、日テレ、ヤマダ電、カカクコム、マブチ、米Walt Disney

11月6日(金):
日9月景気動向指数
黒田日銀総裁講演
独9月鉱工業生産
米10月雇用統計
決算:NTT、三井不、三井物、大和ハウス、ユニチャーム、オリンパス、いすゞ、旭化成、ヤマハ発、セブン銀行、ニコン、島津製、博報堂DY、丸井、スクエニ、ミクシィ、テレ朝

11月7日(土):
中国外貨準備高

11月8日(日):
中国貿易収支

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kazu_fujisawa at 22:00│Comments(0)TrackBack(0)│ │金融日記 Weekly 

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