厚生労働省が受動喫煙防止対策を強化

厚生労働省が受動喫煙防止対策を強化

労働安全衛生法の一部改正案が国会に提出される

2012年3月26日

厚生労働省が受動喫煙防止対策の強化に動いている。同省は2011年12月、臨時国会に職場における受動喫煙対策を盛り込んだ「労働安全衛生法」の一部改正案を提出した。さらに同省がまとめた「がん対策推進基本計画」においても、職場における受動喫煙対策を推進している。飲食店にも従業員の受動喫煙対策を求める内容で、関係者の間に波紋が広がっている。

受動喫煙防止対策を強化している厚生労働省

受動喫煙防止対策を強化している厚生労働省

2003年に施行された「健康増進法」以来となる、法律による受動喫煙防止対策の強化が現実のものとなりつつある。厚生労働省は2011年12月に、労働者の健康と安全を守るための法律「労働安全衛生法」の一部改正案を国会に提出した。現在(2012年3月)、衆議院で審議が続いている。

改正案の内容を見ると、メンタルヘルス対策の充実などと並んで、職場における受動喫煙防止対策が大きな柱であることが分かる。一般の事業者だけでなく、飲食店に対しても、受動喫煙防止対策を義務付ける内容となっている。この改正案のポイントは、神奈川県ですでに施行され、兵庫県でも今月の3月19日に議会で可決された受動喫煙防止条例などと異なり、お客の受動喫煙防止対策ではなく、飲食店で働く従業員の受動喫煙防止のための対策となっている点だ。

厚生労働省がホームページ上で公表している、改正案の概要のなかで、受動喫煙防止に関する内容は以下の通り。
1)受動喫煙を防止するための措置として、職場の全面禁煙、空間分煙を義務付ける
2)ただし、当分の間、飲食店その他の当該措置が困難な職場については、受動喫煙の程度を低減させるため一定の濃度又は換気の基準を守ることを義務付ける。

1)に記載されているように、職場では禁煙もしくは空間分煙が義務付けられる。空間分煙は、喫煙専用ルームなどを使用してタバコの煙が外に漏れないことが前提だ。ただし、1)は、飲食店ではお客が飲食とともに喫煙する場合があり、実施が困難なケースが想定される。そのため、飲食店に対しては、2)で示されたように、暫定措置が認められるようだ。具体的な内容については、厚生労働省によって、別途定められることになっているが、喫煙区域における粉じん濃度を「1㎥あたり0.15mg以下」、もしくは、1時間あたりの換気量を「70.3㎥×喫煙区域の客数」とすることなどが検討されている。これらを満たすには、多くの飲食店において、換気能力の増強や空気清浄機の設置などの新たな設備投資が必須となる。

また、同省が進めている「がん対策推進基本計画」では、受動喫煙の機会を有する人の割合を削減するための数値目標を掲げており、8年後の2020年までに飲食店で受動喫煙の機会がある人の割合を、現在の50.1%から15%にまで減らすと定めている。なお、「がん対策推進基本計画」については、現在パブリックコメントを実施し、計画案の内容についての幅広い意見を募集。12年の4月1日まで受け付けている

(関連リンク)「がん対策推進基本計画(変更案)」に対する意見の募集について

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