大阪府教育委員会は、全国学力調査(学テ)の学校別結果を高校入試の内申評価に使うことを来年度以降、断念する方針を固めた。今年度の入試には当初の方針通り活用する。学テ活用に反対する文部科学省との協議が平行線のままで、来年度の入試の制度設計に向けて決着を急いだ。代替案として、中学3年時の独自テストの新設などを検討している。

 学テを内申評価に使用する府教委の方針は、今年4月のテスト実施直前に決定。中学3年時の学テの結果をもとに各校のレベルを把握し、生徒の内申点の平均が指定するレベルに収まるようにした。この結果、成績の良い学校はより多くの生徒に高評価をつけられ、逆の学校は評価を抑制される。

 今年度から府教委が採用した生徒個人の目標達成度をみる絶対評価は、学校によって評価尺度に偏りが出る懸念があり、学テの活用で学校間の内申評価の公平性を担保するねらいだった。しかし文科省は「学力の把握という調査の趣旨から逸脱する恐れがある」と批判。大阪府の松井一郎知事が「徹底して戦っていく」と強く反発し、両者の対立が続いていた。

 文科省は学校現場の混乱を懸念して今年度の入試に限り例外的に学テの使用を認めたが、来年度以降は認めない構えを崩さず、学テの実施要領を変更して入試での使用を禁じる可能性も示唆していた。

 府教委関係者によると、文科省の強硬な姿勢から、協議が平行線のまま続けば来年度の入試にも影響を及ぼすと判断。学テの使用を断念し、学校現場の不安にも配慮して早期に新制度の設計にとりかかるべきだとの意見が強まったという。