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会社でちょっと自由になるためのコツ

AではないけどCでもない「Bゾーン」にいる大多数の普通のサラーリーマンが、会社の中でちょっとだけ自由になるためのコツを紹介

部下のことを把握する その2

部下対応 上司の心得

 部下を把握するポイントとして「能力」、「性格」、「家庭環境」、「価値観」を挙げました。

ここで大切なのは、自分自身が直に接する中でこれらを知ること、です。

 

「能力」と「性格」(あるいは「適性」)は、一緒に仕事をしていると、自然と分かってきます。

部下本人の話や行動を直接、見聞きし、また、そのときの様子などから、自分自身で把握すること、つまり直接の対話が大切であり、第三者からの情報をうのみにして、その先入観でもって対応することは、絶対にやめるべきです。

 

噂では「とんでもない奴」と聞いていた人が、実際に会って話をしてみると、全くそんなことはなかった、というケースはザラにあります。

とかく、悪い噂は流れやすいものです。そして、噂の源流には、噂の主を心良く思っていない人がいますから、尾ひれがついて回ってくるものです。

 

また、昔しでかした「過ち」が、ずーっと人の口に残るってこともあります。

でも、人は成長するものです。

その当時は、たしかにそうだったかもしれないけれど、今は別人のようになっている、ということも往々にしてありますから。

今の部下本人を、上司が自ら把握することが大切なのです。

 

そして、「家庭環境」ですが、プライバシーには立ち入らない風潮のため、積極的に聞きにくいものです。

ただ、部下本人の問題(心や健康の問題も含む)とともに重要なことなのです。

「仕事に影響しそうなことで、何か心配していることはありませんか?」

と尋ねると、大概、話をしてくれます。

 

最近、本当に多いなぁと思うのが、「親の介護」です。

たまたま私の部署がそうなのかも知れませんが、実に7割以上の人が「親の介護」のために、相当の時間と労力とお金を費やしています。実情を聞くと、本当に身につまされる話ばかりですね。

直接、会社の業務には関係ないことですが、この状況を理解して、可能な配慮をするのも上司の勤めだと思うのです。

ただし、あまり引っ張られすぎると組織としての公平性を保てなくなるので、バランスをもった対応が必要ですけれど・・・。

 

そして、「価値観」

具体的には、日々の生活の中で「本人が大切だと考えているもの」と「どんな会社人生をすごしたいと思っているか」を重視しています。

 

「本人が大切だと考えているもの」・・・

 能力の発揮・地位・収入・自立独立・安定・チャレンジ・家族・自分の時間・プライド・ライフプラン・・・

 

「どんな会社人生をすごしたいのか」・・・

 どんどん出世したい、仕事はほどほどで今の会社で長く勤めたい、社内の違う部署の仕事をしたい、今の部門でエキスパートになりたい、転勤していろんなところで暮らしたい、スキルを得て早々に転職・起業したい、今の立場を守りたい・・・

 

これらが分かっていると、上司としての対応は大きく変わっていきます。

「なぜ、部下はそのような言動を取ったのか」「部下はどのような反応をし、どう行動するだろうか」「部下は何を望んでいるのか」が分かるようになります。

すると、モノの言い方ひとつから、全く違うものになります。

そして、本人の希望を叶えられるような差配やバックアップができるようになるのです。

 

単純な例ですが、「もういいや」となっている部下には、プラスアルファの仕事を無理強いせず、やるべきことをしっかりとやり続けてもらえるようにするでしょう。

「成長したい」部下には、今後のキャリアプランを一緒に描き、そのステップになるようなきつめの仕事に、どんどんとチャレンジさせるでしょう。

 

これらはシンプルな例ですが、本人の価値観を把握した上で、それに応じた対応を取ることが大切なのです。

(もちろん、出来ないことは出来ないのですが・・・)

 

そして、その価値観は、本人から直接聞き取らなければなりません。

「もう、いい年だから」、「入社早々だから」と勝手に決めつけ、「だから、こうなんでしょ」と一方的に対応すると、それが部下の価値観に合っていないと、必ず摩擦が生じます。

 

部下の「能力」「性格」「家庭環境」「価値観」を把握せずに、自分の考えや思い込みだけで、一方的に部下に指示を出す。

それは往々にして、部下個々人に適した言い方・内容でないためうまくいかない。

その結果に対して、「何でできないんだ!」と怒鳴る。

怒鳴られた部下は、上司に対して反発する。

そして、人間関係は悪くなっていく・・・。

 

ごくごく当たり前の人間であれば、まず間違いなく上司とうまくやっていこうと努力します。当然、いろんな我慢もしています。

それでも悪い関係しか出来ないのは、上司が努力をせず、部下の苦労をブチ壊しているからなのです。

本当に恥ずかしい話です。

 

部下のことを「仕事ができない」「言うことを聞かない」と嘆くのであれば、その前に、自分自身が部下のことをしっかりと把握できているか、そして、それを踏まえた適切な対応ができているか、自問自答することをお奨めします。

 

 

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