10月31日「おおさか維新の会」が設立され、国会議員19名が参加し、橋下氏が代表に就任され、11月2日設立届を出し、5年後には衆議院で過半数を目指されるとのことです。

 わずか2カ月弱後の12月18日に政治家を引退される方が党首に就任して5年後の未来を語る矛盾はさておき、まずはご同慶の至りです。

 但し、参加を予定されている国会議員19名のうち、片山氏を除く除名された11人は、先般の除名処分に対して正式に文書で異議申立書を送付してこられましたので、維新の党において現在弁明と聴聞のための措置が進行中で、維新の党の党籍があります。また、残りの7名は、(おそらく臨時党大会と称する大会に出席するために)未だ離党届を出していませんし(週明けに届くのかもしれませんがその場合も当然留保されます。)、現時点で何らの処分が行われていませんので、当然維新の党に党籍があります。また確認しているところでは、片山氏の除籍もまだ届けられていないと聞いています。従って、上記19人全員が、政党助成法5条1項5号に従ってなされた届出には維新の党の議員として記載されており、未だ削除されていません(但し私の立場では、事実確認が完全ではありませんので、事実誤認があったら訂正します。)。

 ところで政党設立の届け出には、政党助成法5条2項3号で、参加する国会議員は、他の政党の届け出に記載されていないことを宣誓する宣誓書を添付する必要があります。

 従って「おおさか維新の会」に参加を予定している「維新の党」の国会議員20名が、現状のまま「他党の届け出に記載されていない。」という宣誓書を添付するなら、明らかな虚偽申請ですし、そもそも形式審査に引っかかって受理されません。

 どうにかするには、勝手に代表を名乗っている馬場氏に辞表を提出し、馬場氏が維新の党の代表名で維新の党の届け出から20名の議員を削除する異動届を出すのでしょうが、現状で総務省がそれを受理する可能性は限りなく低いでしょう。

 実際総務省も、「新党設立の届け出があった場合、議員が、ほかの政党にも同時に所属していないかなど、法的な問題がないか関係者に事実関係を確認することもある。」としています。

 よって、11月2日に問題なく受理される設立届出を提出するには、国会議員は届け出ず、地方議員と橋下、松井両首長だけで構成される政治団体として届け出るしかないわけで、結局「おおさか維新の会」は、政党助成法上の政党ではない単なる政治団体として設立されるものと思われます。

 ということは、今後のことはいざ知らず、たった今衆議院の解散があった場合比例候補は立てられないわけですし、このままでは参議院の比例候補すら出せないわけで、最初に戻って5年後に過半数はまず無理かなということになります。

 ところでこの状態を解決するには、とても簡単な手が以下の通り二つもあります。

①「除名を受け入れます。すみません。従ってなんちゃって臨時党大会は無効です。」と維新の党執行部に謝って、届け出から削除してもらう。
②「現在の維新の党執行部を正当と認めて辞表を出します。すみません。従ってなんちゃって臨時党大会は無効です。」と維新の党執行部に謝って、届け出から削除してもらう。

 「おおさか維新の会」と称する政治団体の代表に就任された橋下氏が、公言された「5年後政権奪取」を本当に実現する気があるのなら、余計なお世話でしょうが、①か②をやるのが普通ですけれどと、僭越ながら、普通の弁護士として、普通にご助言させていただきます(そういえば橋下臨時代表は12月18日以降は法律政策顧問になられるご予定ということですから、とっくにこんなことはご承知でしょうが。)。


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