女性じゃなきゃダメなんだ
翌日になり、Mちゃんが来ました。
さっぱりしたボーイッシュな装いに、3つ穴が開いた薄い耳たぶには、いつもと違う石のピアスをしていました。
「昨日、髪切ったの」
そう言ってクシャクシャと髪を撫でながらリビングに入ってくるMちゃん。
「さっぱりしたねぇ。似合ってるよ」
私が褒めると、無言ではにかんでくれました。
そういう仕草の一つ一つにキュンとしてしまいます。
今まで何とも思わなかった彼女の癖や仕草が、たまらなく愛しくなるのです。
「んー(>_<)Mちゃん、抱き締めたいよぅ」
当時の私は、心の声がそのまま駄々漏れ状態でした。
「sumiちゃん素直すぎ」と笑うMちゃん。
少し緊張していた体が、ゆるやかに解れて行くのを感じました。
他愛のない会話をしながら、一時間、二時間と過ぎていきます。
Mちゃんはなかなか、本題に入ろうとはしませんでした。
もういいや、こんな感じで。
この空気感が大好きだもの。
友達のままでいられたら、それで十分。
十分幸せだよ。
弱気になった心は、一生懸命に理由をつけて、自分が傷付かないようにするために必死でした。
でも、自分が一番わかっているのです。
なぜ告白したのか。
それは、友達では嫌だから
友達以上の存在になりたいから
後ろを歩けば、彼女の背中をギューっとしたくなる。
髪を撫でたい、触れたい、
友達としての『好き』を完全に越えてしまった感情を、押さえられなくなったから告白したんです。
もう、懇願に近い眼差しを向けてしまったと思います。
「Mちゃん、、そろそろ、、本日のメイントークを、、しませんか?」
私の言葉で、Mちゃんは真剣な表情になりました。
そして、頭を下げながら
「宜しくお願いします」と返事をしてくれました。
にほんブログ村
にほんブログ村