強制動員:補償法案、被害者遺族が成立求める

 韓日首脳会談の実施が決まったのを受け、「日帝強占下遺族会」など10団体が29日、ソウル・汝矣島の国民銀行前で記者会見を行い、国会で継続審議中の「被害補償特別法案」を今回の通常国会で必ず成立させるよう、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と鄭義和(チョン・ウィファ)国会議長に求めた。

 日本の植民地時代に強制動員された被害者の遺族たちは「植民地時代に連れていかれて犠牲になった先祖たちに対する補償がいまだに実現していない。1965年の韓日基本条約締結に際し、日本政府から受け取った資金のうち3億ドル(現在のレートで約360億円)は、軍人・軍属の遺族たちのための補償金であるため返還すべきだ」と主張した。

 遺族団体はこれと合わせ、被害者に対する補償金の支給に関し、与党セヌリ党のイ・チョルウ議員が発議した被害補償特別法案(対日抗争期の強制動員の被害調査および国外強制動員犠牲者などの支援に関する特別法の一部改正案)を制定する必要性を強調した。

 この法案は、植民地時代の強制動員によって死亡したり、行方不明になったりした人たちの家族に対し、補償金1億ウォン(約1060万円)と、毎月100万ウォン(約10万6000円)の生活支援金を支給するという内容を骨子としている。

 遺族団体はまた、▲日本全国に散らばっている強制動員犠牲者の遺骨の韓国への送還▲強制動員被害者遺族支援財団の設立-などを韓国政府と国会に求めた。

 日本の裁判所は、植民地時代の強制動員による被害の補償をすべきだという遺族たちの要求に対し「請求権協定によって補償問題は完全かつ最終的に解決した」との意向を貫いてきた。

 これに対し韓国政府は2010年3月「対日抗争期の強制動員の被害調査および国外強制動員犠牲者などの支援に関する特別法」を制定し、強制動員の被害者に対し1人当たり最大2000万ウォン(約210万円)までの慰労金を支給した。

 だが遺族たちは「韓日基本条約締結に際し、日本政府から受け取った補償金3億ドルを、当時の政権が遺族たちの同意を得ずに使った」として、国が遺族たちに1人当たり2億ウォン(約2100万円)の補償金を支給すべきだと主張している。

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