ミラノ=山尾有紀恵
2015年10月31日19時54分
ギリシャ沖のエーゲ海で30日、欧州を目指す難民らを乗せた船が相次いで沈没し、少なくとも35人が死亡した。カティメリニ紙が伝えた。トルコとの間の同海域では、ここ数カ月で最悪の事故の一つ。冬を前に駆け込みの密航が増える一方、天候の悪化で転覆事故が急増している。
ギリシャのチプラス首相は30日、国会での質疑で、壁などを建設して難民らを締め出す動きを強めている欧州諸国を非難した。欧州連合(EU)はギリシャに難民一時受け入れ拠点の増設を求めているが、ギリシャは難民が密航の危険を冒さぬようトルコに難民登録拠点を設けるべきだと主張している。
ギリシャの島には連日約7千人の難民・移民が押し寄せている。国際移住機関(IOM)によると、今年に入ってから地中海経由で欧州にたどり着いた難民・移民は72万人を超えた。うちギリシャには57万人が上陸し、シリアからの難民が大半を占める。エーゲ海での転覆事故による死者は430人以上で、子どもも100人以上が死亡している。(ミラノ=山尾有紀恵)
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朝日新聞国際報道部
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